球審も絶句した大谷翔平「脅威の身体能力」
大谷翔平 二刀流 その軌跡と挑戦』でこのように語っている。
「プロ野球の世界は、いつの時代も結果を出した人間が正しい。そもそも高卒2年目、3年目の選手が、プロ野球の監督に『チームを勝たせろ!』と言わせてしまうあたりに彼のポテンシャルの大きさがある。今年は開幕投手に指名した彼には、『姿』で示せと檄を送りました」
また、現役時代は俊足巧打の外野手として鳴らし、引退後はドラゴンズやファイターズでコーチを務め、開幕戦の解説を務める平野謙さんは二刀流反対の声についてバッサリ斬った。
「俺は最初から二刀流に賛成だった。反対している連中の多くはひがみやっかみだからね。彼ほどの素材は生かさない手はないでしょ!」
と絶賛する。
開幕前夜の囲み会見で、栗山監督はエースの条件についてこう言及した。
「例えば渡米前のマー君(現ヤンキース田中将大)が投げる時のように、相手チームが嫌だなあ、と思うようになってこそ、初めてエースと呼べる。エースの称号は周りや相手が決めるものですからね」
エースで4番(昨年は主に5番DH)というマンガのような活躍をひょっとしたら今年は見ることができるのかもしれない。そんな大谷にある名選手との共通点があるとスポーツライターの小島克典氏は言う。小島氏は『大谷翔平 二刀流 その軌跡と挑戦』でもメインライターとして執筆にも参加している。
「打者としては高卒3年目の掛布雅之さん(元タイガース)を越えて欲しいです。同じ左打ち、1年目が3本、2年目が11本と2人の間には共通点が多い。掛布氏はプロ3年目に27本を打ち、レギュラーの座を確たるものにしました。投手としては史上最速の169kmを計測したチャップマン投手(レッズ)に肩を並べて欲しいですね。大谷選手とチャップマン投手は身長、体重が一緒。これは野球の神様からのギフトとしか思えません」
本拠地での開幕戦を控えるファイターズは「伝説を作る準備はできた。」という挑発的なスローガンで開幕ムードを高めている。文字通り、伝説を作ることができるのか。大谷翔平の3年目は、いよいよ幕を開ける……。
取材・文/SPA!プロ野球特捜班
プロ野球の2015シーズンがいよいよ開幕する。黒田や松阪の日本球界復帰など、開幕前から注目の高いシーズンとなっている。だが、やはり注目を集めているのは昨シーズン二刀流で11勝10本という日本球界初の偉業を成し遂げ、開幕投手を務めることになった北海道日本ハムファイターズの大谷翔平だろう。
桁外れな身体能力で今年はどんな成績を残すのか気になるところだ。昨シーズン、球歴に残る大谷の10本目のメモリアル弾を球審として目撃したNPB審判員の丹波幸一氏は、あの瞬間を振り返った。
「球審をしていると、バッターが振るか見逃すか、気配を感じるんです。あの10本目のホームランは見逃すのかなと思った次の瞬間、身体に巻き付いたバットが突然シュッと出てきた。あとはカーンという快音を残して凄い弾道の打球がセンターに向かって一直線に伸びてった。センターライナーかな?と思ったらそのままバックスクリーンに飛び込んだ。あんな打球を見たのはバリー・ボンズ以来でした」
こう語る丹波審判員は2002年の日米野球でナゴヤドームで球審をつとめ、当時絶頂期だったバリー・ボンズのホームランを誰よりも近くで目撃した張本人だけに、この言葉には説得力がある。
だが、そんな大谷の二刀流に関しては未だに賛否が別れる。「投手だけなら20勝だ」と言えば、「いやいや打者としては3割30本も……」と野球談義の格好のネタともなる。そんな野球ファンの間で最近話題となったのは球界の重鎮、張本勲氏のサンデーモーニング(TBS)での発言だ。
「5年したらダメになりますよ。今のままではどっちつかずになるから」
「10勝10本、よくやったと思うが、素質からいったら物足りない」
「25本15勝ならいいけど、10勝10本というのはゴルフでいえば予選ギリギリ通過の数字」
もちろんこれは大谷への期待が高いが故の発言だ。しかし、現場を預かる栗山英樹監督は『
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