更新日:2012年02月27日 14:06

なぜ、こんなにワリを食ったサラリーマンが増えているのか?

東京ガス西山経営研究所が分析する なぜ、こんなにワリを食ったサラリーマンが増えているのか? 基本的な構図は、子供時代のイジメられっ子と一緒なんですよ ここまで会社、プライベートとさまざまなシーンでワリ食った人を紹介してきたが、その背景には何があるのか……。会社内外の人間関係など、サラリーマンの“生態”に深く精通する東京ガス・西山経営研究所の西山昭彦所長と同研究所スタッフで心理カウンセラーの高橋貴子氏に聞いた。 「子供だけのグループの中で、イジメられる子がいつも同じなのと同様に、会社でワリを食う人も決まっている……。年齢を経て大人になっても、こうした組織の病理は、子供のイジメと本質的に変わらないのです」(西山氏)  こうしてワリを食う人間は、一様に似ているのだという。 「まずリーダー、つまり会社で言うところの上司や先輩に対抗するパワーや発言力がない。2つめは、上司や先輩が思い描く集団のメンバー像に合わない。つまり、彼らと波長が合わない人。3つめは、反抗しない。この3つの特徴を併せ持つタイプの人は、ワリを食いやすい。ワリを食う人と同様に組織内での浮いた存在に、一匹狼的なタイプの人がいますが、仕事の実績などのパワーを持っているので、集団内で疎んじられながらも、ワリを食うことはない。このように、3つの条件のうち1つでも除外できれば、ワリを食う可能性を低減できるのですが……」(同)  一方、ワリを食った人たち自身は、“被害”の原因はどこにあると考えているのだろうか。 「多いのは、『会社なんてそんなもの』、『上司がバカだから』と、周囲のせいにする人。一歩進んで、『コミュニケーションが苦手』、『断り下手だから』と、自分にも非があるとする人もいますが、いずれにせよ、悪者探しで終わっては被害者認識のままです。『上司がバカだから』と言っても、それは期待しすぎで、現実にはバカな上司はどんな組織にもいるものです。また、ワリを食う人はそんな上司から逃げようとばかりします。そういう意味では、ワリを食う人は状況を変える力のない人と言えます。起きていることに目を向け、やり方を変えることが大切」(高橋氏)  ワリを食う人が生まれる背景には、ビジネスマンに必要なスキルも関係しているという。 「サラリーマンには企画力、専門力、人間力の3つが必須といわれています。しかし、コミュニケーション能力や根回しに代表される人間力だけが、ほかの2つのスキルに比べ直接仕事に関係ないと軽視されたすえに、ここ20年で著しく低下しています……。ワリを食う人が増えるのは、当然の結果かもしれません」(西山氏) 西山昭彦氏 東京ガス西山経営研究所所長。東京女学館大学教授。『仕事と学びの成功習慣が見に付く! スピード勉強法』(東洋経済新報社)ほか著書多数。 高橋貴子氏 ビジネスパーソンをサポートするメンターバンク東京・代表取締役。心理カウンセラー、ビジネスコーチ ― 何でオレだけ?会社で[ワリばかり食う人]の共通点【4】 ―
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