更新日:2019年04月03日 22:09
スポーツ

センバツ優勝の東邦が達成した「平成最初と最後の王者」

 平成最後となった2019年春の選抜高校野球もいよいよクライマックス。  その決勝戦の舞台に、大会開幕前は関係者やファンの誰もが予想だにしなかったチームが勝ち上がってきた。千葉県の古豪・習志野である。
習志野市

習志野市公式サイト

習志野が勝てば「春の選抜」で千葉初の優勝

 習志野といえばOBにあの掛布雅之氏を輩出するなど県内きっての名門。夏の選手権制覇は1967年と’75年という2度の実績を誇っている。だが、これが春の選抜に限ると優勝はゼロ。決勝戦進出自体も初で、過去3度の出場で最高成績は2回戦敗退に留まっていた。  というよりも実は習志野だけではなく千葉県勢自体、まだ1度も春の選抜で優勝したことがないのだ。準優勝が2度あるだけなのである(’81年の印旛=現在は印旛明誠に校名変更と’95年の銚子商)。  夏の選手権は前述したようにこの習志野が2度、そして’74年に銚子商が優勝と計3度のVを成し遂げているだけに、千葉県勢の選抜優勝ゼロは高校野球界の七不思議の一つとも言える。それだけに春の優勝は県内の高校野球関係者にとってはまさに長きに渡っての悲願となっているのである。

平成の春夏選抜で「関東で唯一優勝ゼロ」の千葉県

 と、ここまでは甲子園中継でも実況アナウンサーがさかんに連呼していたから、お気づきの高校野球ファンも多いだろう。だが、千葉県勢にはこんな衝撃の事実もあるのだ。それは……“関東地区の1都6県のうち千葉県だけが、平成になってから春夏の甲子園どちらかでも1度も優勝がない”。 ※4/3追記:関東地区大会には1都6県と山梨県が入っており、山梨勢も優勝はない。
高校野球

写真はイメージです

 東京は平成元年にいきなり帝京が夏制覇。さらに平成4年春、平成7年夏と計3回優勝。これに平成13年夏と平成23年夏制覇の日大三と続き、平成18年夏の早稲田実を加え3チームで計6度の優勝。  神奈川は平成10年に横浜が春夏連覇し、平成18年の春選抜も優勝。さらに東海大相模が平成12年と平成23年春、平成27年の夏とこれまた3回優勝しており、東京と並ぶ6度のVを達成している。  何かと千葉県とライバル視される埼玉県も平成25年春に浦和学院が、平成29年夏には花咲徳栄が県勢として初の夏の甲子園優勝を成し遂げているのである。  北関東の3県も茨城は常総学院が平成13年春と平成15年夏に優勝。栃木は平成28年夏に作新学院が昭和37年の春夏連覇以来、54年ぶりの優勝を果たし、群馬も平成11年に桐生第一、平成25年に前橋育英が……というように夏の大会を2度制覇している。  だが、これに対して千葉県は平成以降、夏の選手権でも2度の準優勝が最高なのである(平成4年の拓大紅陵と平成12年の東海大浦安)。今年の夏の甲子園は新元号である“令和”で行われるため、千葉県勢の平成時代の甲子園制覇は本当に本当のラストチャンス。ぜひとも優勝してこの不名誉な事実から逃れてほしいのだが……。
高校野球2

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東邦にも「ある記録」がかかっている
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