中国から445兆円が失われる!?
アメリカの株価が上昇している。これで景気も回復の兆しを見せるのかと思いきや、そんなことはないという。アメリカ国民の多くがまだまだ苦しい生活を送り、オバマ大統領の政策に否定的だというが、いったいなぜ?
⇒【前編】はこちらhttps://nikkan-spa.jp/322007
◆株価が上がっただけで景気回復と言えるか?答えはNOです!【後編】
(現役金融マン ぐっちーさん)
中国の統計はあてにならないので、香港、台湾などの統計を合わせて類推するしかありません。例えば比較的正しく捕捉できる貸出残高は’10年時点で40兆元(1元=12.78円換算で約500兆円)と言われています。日本がバブルで100兆円、アメリカがリーマンショックで200兆円吹っ飛ばしたということなので、この500兆円の半分が不良債権化すると(日本はほぼ60%が不良債権化した)、それらを軽く上回る250兆円相当が不良債権となる可能性があります。その規模はすさまじい額です。
因みに世界を席巻したヘッジファンドのレバレッジ後の総額がせいぜい13兆元(2兆ドル相当)ですから、この数字がどれだけ影響の大きいものかご想像に難くありませんね。中国で’11年に行われた年収2000万円以上稼ぐ人々への調査結果は実におもしろく、80%もの人が中国以外への移住を希望。更に1000万元以上の資産家人口が96万人。その平均値が6000万元(約7億5000万円!!)で、うち60%は既に海外移住手続きを進めている、というのです。
約60万人分の6000万元がなくなるということは36兆元、日本円では445兆円の損失!! 海外企業が脱出し、日本のGDPにも相当しようかという金額が国外に流出。これでバブルがはじけないほうがおかしい。ワタクシは昨年のうちから中国バブルがはじける、と声を大にして申し上げてきましたが、なかなか相手にしてもらえませんでした……時すでに遅し。
しかし、このお金持ちのほんの一部でも日本に来てもらえば消費税なんて上げなくても楽勝なんだがね、というお話はまた今度!
【今週の数字】
中国の貸出残高
64兆6600億元(’12年9月現在)
現在ニュースなどで出ている中国の貸出残高はさらに額が大きい。このまま経済成長が減速していき、中国バブルが崩壊するような事態になれば、ここから多くの不良債権が生まれることとなるのだ
【選者】現役金融マン ぐっちーさん
ウォール街で20年生きてきたノウハウをブログに執筆し、いち早くサブプライムローン問題に警鐘を鳴らしていたアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://guccipost.jp/)を主宰している
― 中国バブル崩壊にいまさら気づいても時すでに遅し【2】 ―
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