ハイブリッドカーの燃費性は環境に左右される
※前編はこちら⇒「ハイブリッドカーは日本以外では流行っていない 」
◆ハイブリットカーは無敵じゃない!?
対決の舞台は小淵沢周辺。まずは小淵沢インターから長坂インターまで、中央道の下り坂を80km/h平均でノロノロ下ります。
レクサスのステアリングを握った担当Kは述懐します。「徐々に燃費計の数字が伸びて、30km/リッターを超えた時、日本の大勝利を確信しました!」
HS250hの燃費計は、インター出口では32.7km/リッターを表示。さすがトヨタ・ハイブリッドテクノロジー!
ところがなんと、プジョー508の燃費計は、それを大きく上回る37.0km/リッターを示していたのです。
担当K「ま、まさか……」
高速巡航は、アクセルのオン・オフが少ない。そういう状況では、ハイブリッドカーのメリットが出にくく、重いバッテリーがかえって足を引っ張る面もある。ボディサイズはプジョーのほうが少し大きいのですが、車両重量は逆に120kg軽い。エンジンはたったの1600ccだし、モーターもデカいバッテリー積んでないから。
次は一般道を往復12km走行。往路の上り坂ではほぼ互角、しかし復路の下り坂ではさすがハイブリッドカー、HS250hは一度もエンジンがかからず、電気自動車状態のまま走破。燃費計の数値は99・9km/リッター(MAX表示)なれど、実際には無限大! 対するプジョーも45.9km/リッターを叩き出したが勝負にならず、一般道のトータルは、
レクサス15.4km/リッター
プジョー13.0km/リッター
最後、高速道路の上り坂では、今度はレクサスが2割弱勝ち、総計ではレクサスの勝利に終わりました。ただ、両者の燃費の差はわずか1割強だった。これをどう見るか?
今回はリゾート地で対決したため、市街地燃費は未計測。市街地ならヘタすりゃダブルスコアでHS250hが勝ったろう。日本的な低速道路環境なら、ハイブリッドは無敵だ。
しかし、高速道路の巡航速度をもっと上げて、例えばヨーロッパ基準の130km/hで対決したら、恐らくプジョーが勝つ。ハイブリッドカーは「圧倒的な燃費性能」を持っていると、日本じゃ誰もが信じてるけど、道路環境によってはそうでもないってことね。
原発の安全性同様、過信は禁物です。外にも目を向けましょう。
【結論】
海外でハイブリッドカーブームが来ないのは、「値段が高くて走りがカッタルくて燃費がイマイチだから」。アメリカがやや例外なのは、ソリン車がフツーにV8だったりするから。ハイブリッドカーは、すでにガラパゴス化してます。
ハッシュタグ