更新日:2013年03月23日 09:03

オッサンにもおばちゃんマインドを!全日本おばちゃん党って何?【後編】

「オッサン政治にモノ申す!!」――。  そんな掛け声とともに昨年11月、「全日本おばちゃん党」なる組織が結党されたのをご存じだろうか。発起人である大阪の“おばちゃんたち”が中心となり、フェイスブック上で“井戸端会議”という名の議論を重ね、今や党員数は女性オンリーで2000人強にまで増加している。  その動きはネットだけにとどまらず、昨年11月にはリアル世界での「始動式」まで開催。さらに3月16日には、本拠地・大阪を飛び出し、東京で党大会を開かれた。全日本おばちゃん党員やその支持者たちとは如何なる人たちなのか……。三十路のオッサン一歩手前記者が、完全アウェイ覚悟で乗り込んだ! ⇒【前編】はこちら「会場ではおばちゃんたちのわれんばかりの大歓声が」 ◆おっちゃんたちも“おばちゃん化”したほうがいい  大盛り上がりのまま終焉した東京大会。閉幕後に谷口代表代行と猪熊副代表代行を直撃した。 ――率直な感想なのですが、今後、オッサンはどうすればいいのでしょうか? 猪熊氏:そうですねぇ……(笑)。思うのは、今日話したような問題って、実は裏返せば、オッサンの問題でもあるんですよね。 谷口氏:今の世の中、オッサンもかわいそうな状況になっているのは分かるんですよ。 猪熊氏:家族を養わなきゃいけないし、自分が働いて食わせていかなくちゃいけないし、それを“降りられない”じゃないですか。強い父親、強い男じゃなくちゃいけない状況になっていて、それに縛られていますよね。 谷口氏:オッサンの自殺率って全体のなかでも高いし、“過労死”することも多いですよね。でも、「仕事のせいで、死ななアカンか?」って思うんです。 猪熊氏:オッサン達は“おばちゃんマインド”を知ってほしいんですよ。おばちゃんたちは、どちらかといえば「そんなのもういいよ」と“降りられる”んです。その心得が、これからの日本男性の生き残り術だと思うんです。働いて働いて、その挙句に自分がポキっと折れないためには、折れる前に竹のように“しなる”術が必要。その考え方を、おばちゃんから学んでほしいと思います。 谷口氏:「俺もしんどいねん」って言えばいいんですよ。これからはオッサンも変わらんと、あきません。実際、世間にはまだ、独善的で人の話を聞かないオッサンって多いですから。もうそんな時代じゃないんですよ。 ――今後、全日本おばちゃん党はどのような動きを?
全日本おばちゃん党(All Japan Obachan Party:AJOP)

グッズなども豊富に取り揃えられている。これもおばちゃんパワーの一端か?

谷口氏:具体的な活動としては、近い将来に東北で“井戸端会議”を開きたいと思っていますね。東北のおばちゃんたちと語り合う場所を作りたいんです。あとは、3年後をメドに、「全世界おばちゃんサミット」を大阪で開きたい。そこには是非、ヒラリーさんにも来てほしいですね(笑)。 猪熊氏:あとはどうやって意見を言える場を広めていくかですね。今はFBが中心だけど、「ネットでは参加できない」って方もいますから。女性の社会進出って、実際にはまだまだ進んでない部分が多いんです。例えば地方とかだと「夫と違う政党には投票できない」という現実が今もあるし、今日の会だって、恐らくダンナさんには「何に行くか」を説明しないで来ている奥さんも多いと思うんです。 谷口氏:女が旦那のグチを言う場所はあっても、政治の話ができる場所はなかったんです。それがFBができて、繋がれて、意見を言い合う場所ができ始めた。コレって、震災後だからこそ生まれてきた動きだと思うんです。よく、「実際の立候補者は出さないんですか?」と聞かれるんですけど、ウチらは“横やり”を入れるつもりなんです。要はちゃちゃを入れること。真正面から意見をぶつけるんじゃなくても、そういう、横からの意見だからこそ世に伝わる言葉も多いと思うんです。だから今後はもっと、世のおばちゃんたちの広い声を集めていきたいですね。  その主張に共感できるかどうかはさておき、なんとも強烈なまでの“おばちゃんパワー”。今後の動きに注目せずにはいられない! <取材・文/日刊SPA!取材班> ●全日本おばちゃん党FBページ http://www.facebook.com/obachanparty
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