不動産株は爆騰前夜!?
アベノミクスや東京五輪で値上がり期待に沸く都心の不動産。庶民にはとても手が届かないが、「不動産株」なら「仕込みどき」の銘柄が多くあるという。割安株で不動産価格上昇に便乗する方法を専門家に聞いた
◆REITは上昇期待薄大型株でも倍は狙える
不動産というと、REIT(不動産投資信託)を連想する人も多いかもしれない。東証に上場しているREIT商品を買えば、比較的少額で不動産投資ができるとされているからだ。しかしフェアトレードで投資助言業を行っている西村剛氏は、これからの相場でREITの上昇期待はそれほど大きくないと言う。
「そもそもREITは賃貸収入がもたらす配当を得るための金融商品。今後、賃貸市場では金融緩和や東京五輪決定の影響で新築物件が増えて供給がだぶつくことが予想されます。たとえ不動産価格が上昇しても、供給過剰で空室率が上昇すれば賃料を上げるのは難しいので、REITの大幅な値上がりは期待薄といえます」
不動産価格の上昇期待に賭けるなら、王道である大手デベロッパーに投資するのもアリだと西村氏は指摘する。
「不動産を売買するだけの業者と違って、デベロッパーは再開発をすることで自ら土地の価値を上げることができます。五輪の恩恵を最も受けやすいと考えられるのは、都心で注目の再開発を予定している三井不動産と住友不動産。小型株のような短期的な瞬発力はなくとも、今後5年で倍程度の値上がりは狙えるとみています」
値動きの軽い小型株を底値で仕込んで一攫千金を狙うか、堅実な大型株でじっくり資産を増やすか――。いずれにしても不動産株は仕込んだ者勝ちの「爆騰前夜」にあるのだ。
◆西村 剛氏推薦
<出遅れ小型株>北恵(東2・9872)
●株価481円/目標株価700円
関西地盤の住宅資材卸。「無借金で好財務なのに株価は割安な状態におかれている。倍に値上がりしても不思議はない」
<出遅れ小型株>サンセイランディック(JASDAQ・3277)
●株価514円/目標株価850円
権利関係が複雑な物件を調整して販売するニッチビジネスで急成長。「業績も底堅く、相続税増税も追い風になる」
<期待大型株>三井不動産(東1・8801)
●株価3385円/目標株価4400円
総合不動産大手。「五輪会場に近く開発の余地が多く残る日本橋の再開発を手掛ける。五輪特需を受けやすい」
<期待大型株>住友不動産(東1・8830)
●株価4695円/目標株価5800円
マンション販売が大幅増。「山手線新駅計画がある田町などの注目エリアの再開発の業績押し上げ効果に期待」
【西村 剛氏】
フェアトレード代表取締役。中小型株式ファンドマネジャー兼アナリストを経て独立。個人投資家の指導に力を注ぐ
取材・文/森田悦子
※株価は12月11日時点のもの
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