“ケツの重い奥さん”にパートに出てもらう方法
―[[中流でも貧乏]から脱出する方法]―
“年収300万~600万円”という“中流”に属しながら、一時的に貧困、いわゆる「家計が火の車」状態に苦しんだ経験のある家庭、200世帯にアンケート調査を実施。どうやってその状況を切り抜けたのか。彼らが貧乏から脱出した“成功体験”は参考になるはずだ。
◆家族に協力してもらう
カネを増やすのにもっとも効果的な手段は、言うまでもなく「収入を上げる」ことだが、「転職」が吉と出るのはケース・バイ・ケースであり、「副業やアルバイト」も実態はかなりハード(「土日を派遣労働に充てて、休みは月1日。月収10万円」など)。選択肢として一番現実的なのは「(専業主婦の)妻にパートに出てもらう」だろう。
だが、世の中にはパートに出ることを拒否する主婦も少なくないと聞く。赤松真悟さん(仮名・40歳)の場合、自営業の父親と共同で2世帯住宅を購入した直後に父親が病に倒れ、当面は月20万円のローンを一人で背負うという事態が確定的になってからも、奥さんは働く気ゼロだったという。
「『こんなことなら家なんて建てなきゃよかった』『お父さんと同居したのも間違いだった』なんてブーたれるばかりで。パートに出てくれと説得するのもムダな気がしたので、『仕方ないから家を手放すか……』と漏らした途端、ウソみたいに協力的になったんです(苦笑)」
一度手に入れたものを手放したくないという感情を心理学では「保有効果」と言うが、ケツの重い奥さんを動かすには有効な手段と言えるかもしれない。
貧困期に「親から金銭的な援助を受けた」という人は意外と少数派だったが、一方で「親との同居」というのは悪くない選択肢なのでは……と思わせたのが、神奈川県在住の安倍賢二さん(仮名・40歳)のケース。
「自分の金遣いが荒いことに加えて、月10万円の家賃が家計にジワジワと響いていたんです(手取り月収は28万円)。そんなときに義母から同居を提案されまして。もちろん最初は抵抗がありましたよ。でも、このままではなけなしの貯金を食いつぶしていくばかりだと腹を括りました」
結果は、大正解。
「他人と一緒に住むんだから最低限のマナーはもちろん必要ですが、苦労やストレスはほとんどありません。皆で一緒に夕ごはんを食べる習慣ができたので、外食も減りました。親との同居ってロクな話を聞きませんが、それって“専業主婦の嫁+夫の親”というパターンが多いのでは。男が嫁の親と暮らす分には恐れるに足らず、という気がしますね」
この際だから、子供にも協力してもらおう。教育費を削減するのに抵抗がある人は多いだろうが、学校はともかく「塾の費用」は、大いに見直しに値する。
「勉強しに行くというよりは、友達と遊ぶために塾に行ってる感じでしたからね。本人も後ろめたかったのか、『本当に必要か?』と聞いたら、あっさり『やめてもいい』と。これで月5万円が浮きました。今では月3500円のネット塾を利用中です。内容はどうあれ、少しの間でも机に向かう理由になっていればいいんですが(苦笑)」
<効果絶大の“抜本的改革”>
・転職して収入をベースアップ
・嫁にパートに出てもらう(←シブられたらマイホームを盾に)
・嫁の親と同居してみる
・子供の塾をやめてみる
取材・文/江沢 洋 田中麻衣子 古澤誠一郎 アンケート協力/エコンテ 撮影・CG/高仲建次
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