こうした背景をもとに、1958(昭和33)年に学習指導要領が全面的に改訂され、第2期の「系統主義教育の20年」の最初の10年が始まりました。(A)の「系統性を重視したカリキュラム」です。
この第2期は、知識の体系性・系統性を重視した教育内容であり、また、戦前の修身に代わり道徳の時間が特設され、また学習指導要領を官報で告示し、法規性を持たせました。
そして10年後の1968(昭和43)年に学習指導要領が改訂され、(B)の「現代化カリキュラム」という、時代の進展に対応した教育内容の一層の充実が図られました。
この背景には、ソ連が1957年に人工衛星スプートニク1号の打ち上げを成功させ、これにショックを受けたアメリカが、学校教育を充実させ科学技術を発展させる意図があり、これが日本にも影響を与え、その後、約10年にわたる「教育内容の現代化」となりました。
しかし、内容の濃い教育であったために、授業についていけない「落ちこぼれ」問題がクローズアップされ、また、アメリカでも「Back to the Basics」(基礎・基本に帰れ)という考え方が広がりを見せるようになったのです。
(文責=育鵬社編集部M)
学習指導要領って何?【第1回】――経験主義教育と系統主義教育の間の「振り子」
学習指導要領の改訂とその変遷(クリックで拡大)
戦後教育のスタートは、アメリカ流の経験主義教育
知識の系統性を重視した系統主義教育に
学習指導要領って何?【第2回】――ゆとり教育の悲喜劇「活動あって学習なし」