身体の冷えは万病のもと、こころの冷えは不幸のもと――こころの温度を1℃あげよう(1)

「酒の教え」というエッセイ

鍋をつまみにして酒を嗜むと

 
 朝晩、肌寒い季節となってきた。

 身体が冷えると血流が悪くなり、免疫力も低下して病気になりやすくなる。確かに身体の冷えは万病のもと。

 この季節、鍋をつまみにして酒を嗜(たしな)むと、身体がぽかぽかとなる。風邪をひかないためにも、身体を温める工夫が大事になる。

 では、こころはどうなのか? 

 人間関係で悩み傷つき葛藤がおこると、こころは寒々としていき、その悪循環でいらぬ争いが起きたりして物事がうまくいかなくなる。

 こころの冷えは不幸のもと。このような時、どうしていけばよいのか。

 こうした悩みに解決のヒントを与えてくれるのが、最近出版された『こころの温度を1℃あげよう』(育鵬社)である。

ユニークな活字のデザイン(タイポグラフィー)


 この本は、ユニークな活字のデザイン(タイポグラフィー)とわかりやすい文章で、読者のこころを温めてくれる。

「鍋をつまみにして酒を嗜む」と記したので、その関連で本書の中から「酒の教え」と題したエッセイを紹介してみよう(本稿の冒頭参照)。

 何やら酒樽に似た活字のデザインが描かれ、その後に文章が綴られていく。文章を再現してみよう。

酒の教え

昔、灘(なだ)のお酒は、船で遠く江戸へと送られていました。
そのとき、お酒は樽に入れて運んだといいます。
そして樽の中には、八割ほどしかお酒を詰めませんでした。
ここが昔の人の偉いところです。
二割のすき間があるので、波に揺られるたびに、
樽の中のお酒は、上下左右に揺られて、揉(も)まれます
こうして十数日間、ゆらり揺られて、木の香りをたっぷりと吸い取り、
陸揚(りくあ)げされたときには、言い知れぬ味わいを醸し出しました。
人も同じ。
世間の荒波に揉まれて、初めてこころが磨かれ値打ちが出てくるものです。
苦労をいやがっていては、魂は輝いてこない。
人としての味も出てこない。
つらさを耐え抜いた人には、格がある、味がある
だから、苦労を敵とせず、友とすること。
困難をいやがらずに、むしろ喜ぶことです。
そして、明るいこころで努めていけば、自ずと運が開け、
味わい深い人間味が出てくるものなのです。
(同書140~141ページ。太字は引用者による。以下、同様)

 なかなか味わい深い文章である。器が小さくなっている政治家や経営者にも読んでもらいたい文章だ(続く)

(文責=育鵬社編集部M)

こころの温度を1℃あげよう 幸せになるためのヒント

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