縄文時代や日本人の宗教観をどう説明するか――『英語対訳で学ぶ日本』は必携の書(4)
日本人より欧米人が関心を寄せる縄文時代
本連載の2回目で紹介したように、石川県金沢市出身の土木技師・八田與一に関しては日本人より台湾人が関心を寄せる。 それと同じ現象が縄文時代についてもいえる。2015(平成27)年11月8日に放映されたNHKスペシャル「縄文 奇跡の大集落」では、英国の大学教授らのインタビューなどを交え、「世界に類のない縄文文化の真実に迫った」(番組紹介文より)内容であった。 考古学に関心を持っている人はともかくとして、一般的に日本人は縄文時代の先進性についてさほど意識していない。他方、英国を中心として欧米圏の人々は縄文時代に関心を寄せており、その人々から縄文時代について聞かれたら、どう説明すればよいのだろうか。 その答えの一例が、本書の説明文である(上の画像参照)。欧米人が関心を寄せる日本人の宗教観
他方、欧米人は日本人の宗教観にも関心を寄せる。「あなたは、どのような宗教を信仰していますか?」と聞かれたと時に、「無宗教です」と答えるのはいただけない。 多くの日本人にとっては、「日本列島の豊かな自然への崇拝と祖先を祀る神道が根底にあり、そこに大陸から伝来した仏教が融合し、日本人の信仰的基盤を築いている……」が模範解答になるのではないか。 こうした視点で英訳されている(下の画像参照)。 ちなみに、本書の英訳を担当した麗澤大学の助教、MORGAN, Jason M.(モーガン,ジェイソンM.)氏は、米国のウィスコンシン大学大学院博士課程修了(日本史専攻、博士)の若き研究者であり、こよなく日本を愛する米国人である。『日本国憲法は日本人の恥である――米国人歴史学者「目からウロコの改憲論」』(悟空出版)といった刺激的な著作も発刊している。(続く) (文責=育鵬社編集部M)
『英語対訳で学ぶ日本 歴史と文化の111項目』 あなたは英語で、日本を伝え説明できますか? 英語の勉強にもなり、日本史通にもなれる。草の根の交流に役立つ極上の一冊! |
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