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“痴女”はなぜ増えたのか。AVで一般化、ananのセックス特集から普通の女性も…

 AVでも頻繁に登場し、多くの男性が夢見る“痴女”。しかし、彼女たちは現実に存在するのか? 『痴女の誕生』(太田出版)の著者、安田理央氏と共に、その真実に迫った。

受け身が当たり前だった女性たちが責めることを覚えた?

セクシー~ 痴女の歴史と定義 ~  痴女という言葉自体は痴漢の女性版として使われることが多かった。しかし、現在AVなどで「痴女」と呼ばれているのは「男性を責めることで興奮する女性」である。このスタイルの原点となっているのは、1991年に代々木忠が監督した『性感Xテクニック』(アテナ映像)に出演したセクシーエステティシャン、南智子だ。  淫語を囁きながら、男性を指と張り型だけで強烈なエクスタシーへと導く。自分には一切触らせず、責めるだけだ。女性は受け身が当たり前と思われていた時代、南智子の登場は大きな驚きを持って受け止められた。彼女は性感マッサージと呼ばれる風俗店で働く風俗嬢だった。その店では彼女のようなプレイをする女性が数多く在籍し、人気を集めていた。  ’90年代半ばに、フェチ系メーカーの「アロマ企画」や、ハメ撮りの開祖であるゴールドマン監督が性感マッサージ嬢を起用したAVを撮り始めた。彼女たちは大胆に男を責めるプレイを披露した。そのジャンルは「痴女」と名付けられ第1期痴女ブームが到来する。  さらに’00年代に入ると、幼少期から「男を責める女性」を夢見ていた二村ヒトシ監督が、自らの妄想を具現化した痴女を女優に演じさせた作品を次々とヒットさせ、第2期痴女ブームが巻き起こる。
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1989年に『anan』が初めてセックス特集を…
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痴女の誕生

今現在進行しているセックスの状況をつぶさに描き出す革命的論考。

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