更新日:2016年12月16日 20:25
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非飲酒者でも肝硬変や肝ガンの可能性あり

仕事もプライベートも何かと忙しい30代。しかし、「忙いから」と健康を疎かにしていると、気がついたときには「すでに時遅し」となりかねない病気にかかってしまうことも。日常生活で見過ごしがちな“体の異変”を察知できるかが大事になるのだ。各分野の専門医の警告と、体が発する“サイン”に耳を傾けるべし! ◆以前は大酒飲みだったのに最近急に酒に弱くなった気がする、手のひらが異常に赤い、メタボ体質だ ⇒ 肝硬変、肝ガンの可能性  酒飲みがアルコールによって、肝臓を悪くするのはよくある話だ。 「大酒飲みだったのに最近、急に酒に弱くなった」なんて感じたら、アルコール性肝炎などの肝臓疾患が疑われる。 
高橋弘医師

高橋弘医師

 しかし危険なのは飲酒者だけではない。近年、若い世代のなかには酒を飲まない風潮が強く、「自分の肝臓は大丈夫」と思う人も多いだろう。だが実は、アルコールを飲まずとも肝炎、さらには肝硬変や肝ガンを引き起こすこともある。その原因について、消化器病を専門とする麻布医院の院長・高橋弘医師は、NAFLD(非アルコール性脂肪肝疾患)という病名を挙げている。NAFLDとは簡単に言うと、アルコールを飲んでいないのに肝臓に脂肪が蓄積する「脂肪肝」になること。現在、このNAFLDを患う人は1000万人、つまり10人に1人の割合でいるという。 「脂肪肝になっている人は多いのですが、肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれるだけあって、あまり自覚症状がありません。さらにNAFLDは、別の病気を併発するから厄介。この病気になった人のうちの1~2割が、『NASH(非アルコール性脂肪肝炎)』、つまり肝炎を引き起こしています。そして、そのなかの2~3割の人が10年のうちに肝硬変、さらには肝ガンへと悪化していくのです」(高橋医師) 
菅原正弘医師

菅原正弘医師

 脂肪肝を放っておいたら、知らぬうちに肝硬変や肝ガンが発生する可能性がグッと上がってしまうとは……。菅原医院の院長・菅原正弘医師は、これら肝臓系疾患の原因は高血圧や糖尿病が主だと語る。 「NASHは糖尿病患者の20人に1人は患う病気。GPTの上昇があれば、可能性はあります。目の結膜の黄疸などは進行してからの症状です。肝硬変になった場合は、手のひらが赤くなったり、手が震えるなどの予兆が表れます。また、メタボ体質や肥満気味の人はこれらの病気が進行しやすいので、特に注意が必要です」(菅原医師)  まずは生活習慣病を改善するためにも、「肥満」といわれる体重を知っておきたい。 「正しい体重を把握するのに現在使われている指標はBMIで、『体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)』で計算します。これが、25以上なると『肥満』です」  170㎝の男性なら、約72kg以上だと肥満。BMIが25以上なら、酒を飲む人も飲まない人も、怖い肝臓疾患の可能性が……。 肝臓 【菅原正弘医師】 菅原医院院長。内科医。糖尿病や高脂血症、リウマチなどの専門家として、テレビや雑誌に多数登場し、セミナーなどでも活躍。著書に『40歳からの糖尿病との上手なつき合い方』(中経出版)など 【高橋弘医師】 麻布医院院長。東京都肝臓専門医療機関である麻布医院の院長。消化器病、肝臓病、免疫治療、ガンの診療を専門とする。『ガンにならない3つの食習慣』(ソフトバンク新書)が発売中 ― 30代[死に至る病]の微妙な兆候【2】 ―
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