更新日:2012年10月15日 13:01
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フィリピン語学留学が熱い! その理由とは?

フィリピン

1日最大8時間のマンツーマンレッスン。右側が先生。講師の7割が女性だ

 英会話の重要性なんて、耳にタコができるほど聞いてきた。それでも、己の英語力のなさを、誤魔化し誤魔化しやってきた。が、ここにきて、「求めるのはグローバル人材」なんて声もやたら、かまびすしい。  実際、ユニクロを運営するファーストリテイリングは、2013年以降、新卒採用1500人のうち1200人を外国人にすると発表。ソニーも2013年度以降の新卒採用の3割を外国人にするというし、イオンも、本社社員の外国人比率を2020年までに現在の3%から5割に引き上げるなんて方針を打ち出している(2011年10月15日「日経新聞」朝刊より)。もはや、誤魔化しは通用しない気配。  いよいよ、「ヤバイか?」と思い始めているサラリーマンも少なくなく……。そして今、「フィリピン留学」が注目を集めているという。  いち早くグローバル化に踏み切った楽天も、実は英語研修の場はフィリピン。三木谷浩史社長は著書『たかが英語』(講談社)の中で、こう書いている。 「一番の理由は、欧米に派遣する場合の4分の1程度というコストの安さだ。日本との時差が1時間しかない点も魅力だった。(中略)英語に対する抵抗感を和らげたという意味では、顕著な効果が見られた。それまで英語を話したことのなかった人でも、帰国すると、自分から積極的に英語で話しかけるようになっていたのだ」(「たかが英語」より) ◆留学費用は欧米の半分以下!?  三木谷社長も書いているように、フィリピン留学の魅力はやはり安さだ。欧米を中心とした約3か月の留学費用(授業料と滞在費)を編集部が留学サイトなどで調べたところ、ざっと以下の感じである。 ●「アメリカ」 60-75万円 ●「オーストラリア」 40-65万円 ●「イギリス」 50-85万円 ●「フィリピン」 30-45万円  なんと、欧米の約半分。フィリピンの首都マニラで英語学校も運営する留学エージェントEIEN(東京都港区)企画営業主任の澤田晃宏氏はこう話す。 「タクシーは初乗り40ペソ(約80円)などと、物価水準も安く、全体的な留学費用を考えれば欧米の半分以下と言えます。航空代もLCCを使えば、ピークシーズンを避ければ東京―大阪間の新幹線代より安く取れることもあります」  しかし澤田氏は、フィリピンの留学の本当の魅力は安さではないという。 ◆授業の中心はマンツーマン 「物価が安いので、当然、人件費も安い。だから何ができるのかと言えば、マンツーマン主体のレッスンです。欧米の語学留学は、30人程度のグループでレッスンを受けるのが基本的な授業スタイル。一人が話す時間はたかが知れています。しかも、シャイな日本人はあまり積極的に発言しません。フィリピンの英語学校は一日4~6時間のマンツーマンレッスンが中心。グループクラスは補足的についているという感じです。そのグループも多くて10人程度です。会話量は欧米留学の100倍とも言われています」
フィリピン

欧米留学はホームステイが主流だが、フィリピンでは学生寮。これも大きな違いのひとつ

 実際、フィリピンに英語留学に行った男女400人に対してフィリピン政府観光省が行った調査によれば、やはりマンツーマンレッスンに人気が集まっているという。  また、事前調査の「フィリピンを選んだ理由」では、「費用が安い」が84.1%と断トツだが、事後調査の「留学先でよかった点」では「マンツーマン授業が多かった」が78%とトップ。「費用が安かった」は6%に過ぎない。 「コストと時間を考えたとき、とにかく話せるレベルまで達するにはフィリピンが一番。経済成長のエンジンが欧米からアジアに移るなか、英語人口世界第三位であるアジア英語の中心地フィリピンで学ぶ意味は大きいと思います」(澤田氏)  まったく話せない人でも、約3か月から4か月で日常会話レベルに達するという。数か月の留学は会社のバックアップがないと難しいが、1週間程度、長期休暇を利用しての留学も可能だという。フィリピンは今後、英語に悩むサラリーマンにとっての駆け込み島になるかもしれない。 <取材・文/小山武蔵>
たかが英語!

されど英語!

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