更新日:2012年12月13日 16:16
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大川総裁が注目するインディーズ政党「安楽死党」

自民もダメ、民主もダメ、「第三極」も何だかなあ……。投票したい政党が見当たらないこの状況、どうなるニッポン?てなわけで、『日本インディーズ候補列伝』で知られる、大川興業 大川 豊氏に話を聞いた ◆現状打破のためには、あえて今カオスを作ることが必要です
大川 豊氏

大川 豊氏

 私は今の政治のグシャグシャ感って応仁の乱だと思ってるんです。応仁の乱は将軍家とかの後継問題を引き金に戦乱に陥ったわけですが、権力闘争の果てに当時の権力層は全滅したんですよ。その後の山城の国一揆では農民が蜂起して守護大名を追いやり、自分たちの力で自治を行った。これからの日本も同じ状況になるのではないかと。  できれば今表に立っている人たちがいなくなって新たなる戦国時代、本当の国盗り物語になればいいと思いますね。つまり、国や既存政党に大きな期待はせず、一般市民がどんどん立ち上がり率先して自治を行う。実際に市民先導で行ったことに行政が乗っかる事例もありますから。その中からさまざまなインディーズ政党が生まれ、ゆくゆくは政界再編につながっていく、と。現状打破のためには、あえて今カオスを作ることが必要なんですよ。 ◆インディーズ政党がニッポンを救う!?  インディーズ政党の魅力は一点突破主義。自分の信じるもの、やりたいことをわかりやすく掲げて出る潔さがいい。私が興味を持つきっかけになったのが大日本愛国党の赤尾敏総裁の演説です。NHKの政見放送でいきなり「田中角栄はシャル(サル)だ!」ですから(笑)。でも昔から参議院廃止などの提案もしていたんですよ。政治をシモネタでわかりやすく語ってくれたのが雑民党の東郷健さんで、「日本はイクイクだけど欧米はカムカム」。「くれくれ」って感覚の欧米に対して、何でも与える日本は素晴らしいと。深いですね。40年前からゲイであることを公表していたのも印象的でした。  現在も注目すべきインディーズ政党はあります。「自殺をするなら臓器提供を」と、決して他の政治家が言えないことを呼びかける新党本質(安楽死党に改名)の佐野秀光氏。東日本大震災前に「東京で防災オリンピックを」と訴えたのは日本維新の会とは縁のない東京維新の会のおがみおさむ氏。おがみさんは個人的なお願いでも演説しに来てくれる。  “会いに来てくれる候補者”なんてAKBを超えてます。楽しませてくれるだけじゃなく、あとになって主張の正しさを痛感させられることも多いインディーズ政党は侮れないと思いますね。 【大川興業 大川 豊氏】 ’62年、東京都生まれ。’83年、大川興業結成。日本の選挙のみならずアメリカ大統領選なども取材する。著書に『日本インディーズ候補列伝』などがある 取材・文/石島律子 漆原直行 昌谷大介・牛嶋 健(A4studio) 取材協力/アイブリッジ 参考資料/季武嘉也・武田知己編『日本政党史』(吉川弘文館) 田原総一朗『知らないではすまないニッポンの政党』(アスキー新書) 筆坂秀世『政党崩壊!』(講談社+α新書) 総務省HP ― ニッポンの政党(笑)盛衰史【7】 ―
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