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血液クレンジングに細胞培養まで【男性美容最前線】

20~40代を中心に、美容に関心を持つ男性=“綺麗男(キレオ)”が増えているという。身だしなみの一環という枠を超え、美白や永久脱毛、血液クレンジングや腸内洗浄にまで手を出す男性も。メンズ美容の最前線を追った! ◆細胞培養、血液クレンジング……etc. 男性美容のパイオニアが語る最新事情
藤村 岳氏

藤村 岳氏

 昨今のメンズ美容への関心の高まりは、何をきっかけに始まったものなのだろうか。男性美容研究家の藤村岳氏に話を伺った。 「2000年代前半には『シセイドウ メン』が販売を開始し、『アラミス ラボ シリーズ』なども含め、男性化粧品のプレステージブランドが人気に。『LEON』創刊で、“モテ”や“ちょいワル”のブームも生まれ、『男性が見た目を気にしても恥ずかしくない』という空気が世の中に広まりました。ただ、当時のブームはファッションが中心で、美容への関心はまだ表層的なものでした。化粧品の成分まで気にするような人が増え始めたのは、ここ最近のことです」  なお、美容への意識が高い男性でも、日常的に使用するのは、化粧水、美容液、乳液、クリーム、UVケアといった、スキンケアアイテムの範囲まで。その範囲を超えて、“メイクで目立つこと”はイヤな人が大半だそうだ。 「男性の美容は、基本的に“身だしなみを整える”“清潔さを保つ”までの範囲で十分なんです。またそれは、人前に出る立場の人、美容への意識が高い人は、昔から人知れずやっていたことでもありました。最近はその習慣がビジネスマン一般に広まりつつあり、男性でも『名刺交換のときに失礼がないように』と、仕事の空き時間にネイルサロンに寄って、爪を整えるような人も増えています」  一方で近年は「整える」範囲を大幅に超えた、さまざまな若返りの美容法も一部で流行中だ。 「コラーゲンなどを生成する自身の線維芽細胞を培養して、細胞を保管する会社に預けておき、再度自分に注入する若返り治療が最近は注目を集めています。採取した血液にオゾンガスを注入・混和して、体内に戻す『血液クレンジング』を行うクリニックもありますね。ただ、細胞の培養や保管などは、何十万円という費用が必要ですし、今はまだ『意識の高いセレブのみが行う美容法』というレベルだと思います」  血液クレンジングに自分の細胞の培養……。そこまでいくと、もはやついていけないかも。最後に、美容にまだまだ疎い男性でもできることとは? 「美容にそこまでの費用はかけられなくても、肌の手入れの習慣が全くなかった人であれば、洗顔、保湿、UVカットの3つを心がけるだけで、大きく肌の状態が改善されます。注意すべきは、大半の男性が誤ってやっている“洗顔料を肌に直接つけてゴシゴシ洗う”こと。余計に肌が荒れるので、きちんと泡立ててから、指先で泡を転がすようにやさしく洗いましょう。いろんなものを試して、自分に合う製品を探していくなかで、知識や関心が高まってきた人は、百貨店などで売られているプレステージブランドにステップアップしていきましょう」 【藤村 岳氏】 ’73年、東京都生まれ。男性美容研究家として各種メディアに出演するほか、コンサルタントとしてコスメ開発にも携わり、男性用コスメ「Risingwave Villa」の監修も担当。All Aboutでメンズコスメなどのガイドも務める ― ここまできた![メンズ美容]最前線【8】 ―
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