アニメレビューサイトが激減した理由とは?
いいモノを求め、あるいは“ハズレ”を引かないため、参考になるのがネットのレビュー。が、誰もが“発信”できるゆえ、読むに値する情報の選別は大変!? そこで各界のプロもチェックする熱量高い素人レビューを紹介。レビュー事情は業界の鏡でもあった!?
【アニメ】まとめサイトと実況に駆逐されネットレビューは危機に!?
ネットレビューと好相性と思われたアニメ界だが、サブカルに詳しいライターの久保内信行氏によると、「ここ数年、レビューサイトやブログは激減している」そう。
「’00年頃にアニメのレビューサイトは盛り上がりを見せますが、批評よりも、美少女キャラのキャプチャーを張り付けるだけのサイトがウケるようになった。そして今、そうしたサイトも、2ちゃんねるのまとめサイトに完全に駆逐された状態なんです」
その一方で、盛り上がっているのが、2ちゃんやニコニコ動画、ツイッターでの実況だという。
「もともとアニメと実況は相性がいいのですが、完全にその場その場で感想を消費される形になっていますね。『うまいこと言ったった!』というコメントが10秒後にツッコまれたりして、何か言いたい欲求、共感し合う楽しさはリアルタイムで満たされますから」
長文のレビューが減ったという指摘は他ジャンルのプロも指摘するところ。それは、レビューの質の低下に繋がっているよう。
「『楽しいね』という共感で満足する層は実況へと流れ、その一方で、長い文章で自分の意見を残していきたいという自我の持ち主は一定数いると思うんです。しかし、人に読まれなければ、そこで切磋琢磨しようとはなかなか思えない。ただ、そんな状況だからか、アナログに回帰して有志が同人誌を作るという動きがあるのは注目です」
【久保内信行氏】
編集プロダクションタブロイド代表。経済からアニメ、音楽サブカルまで編集・執筆。携わった書籍は『超解読まどかマギカ』『iPod touchを100倍楽しむ本』など
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