「スマホでいいじゃん」と思わせない多機能ICレコーダー
【オリンパスイメージング ラジオサーバーポケット PJ-20】
FM/AMチューナーを内蔵したICレコーダーで、最大20番組までの予約録音に対応する。録音先は4GBの内蔵メモリのほか、最大32GBまでのmicroSDカードが選べ、本体で速度調整しながら再生したり、MP3ファイルとしてPCで管理したりできる。サイズはW50×D16×H112mmで、単4電池2本込みの重量は約106g。ICレコーダーとして、ステレオマイクも内蔵している スマートフォン由来のタブレット端末が注目を集めるなか、OSにあえてWindows7を採用した、「LaVie Touch」の異彩ぶりが興味深い。 数年前から、さまざまなメーカーがWindowsベースのタブレット端末を投入しているが、iPadやアンドロイド3端末のようにタブレットに特化したOSではないため、操作性や動作の軽さがいまひとつで、新たな市場を切り開けずに終わっている。このLaVie Touchも殻を破ったとは言えないが、NECがPCとスマホ作りで培ったノウハウが盛り込まれ、従来にない独特の実用性を感じさせる。 議事録や講義の内容を録音するなら、いまはスマホや一部のフィーチャーフォンがあれば事足りる。そうしたなかでICレコーダーに求められるのは、ただ録音できるだけではない、一段上を行く利便性だ。そこで音質や操作性を追求するモデルが増えているが、「PJ―20」の方向性はまた独特だ。FM/AMチューナーを内蔵することで、ラジオサーバーとしての顔を持たせており、多機能ぶりで勝負しているのだ。 ラジオサーバーとしては、本体内蔵の4GBメモリに最大約178時間録音できるうえ、増設したmicroSDカードに残す手も用意。一日に10番組近く録音しても、PCに移さずに1か月近く先まで余裕でためられる実力を備える。PC用の番組予約ソフトも用意しているので、大量に録音する人でも設定の手間は最小限で済むだろう。また、ラジオ特有の高周波ノイズを抑えるフィルターによって、録音番組をクリアに聴けるのもアドバンテージといえる。 その他の機能の使い勝手も十分優秀だ。ICレコーダーとしての機能は、同社のVoiceTrekを踏襲しており、洗練された日本語メニューで取扱説明書なしでもひと通りの機能が使いこなせる。PCへのデータ転送に特殊な手順はなく、本体とUSBでつないで、USBメモリのようにファイル単位でコピー操作するだけだ。そしてステレオマイクで録音した音声は、室内の奥行きさえ再現するので、メモの精度において専用機ならではの強みを発揮してくれるだろう。そのほか、録音はMP3形式オンリーながら、再生はWMAにも対応するので、Windowsに保存した音声データを持ち出す使い方もできる。0.5~3倍速の再生に対応しているので、ラジオ番組のデータも含めて、語学学習に効果を発揮するだろう。 あまり使わないけど、高精度なICレコーダーが欲しいという人には、携帯ラジオや音声プレーヤーとしても便利なPJ―20がオススメだ。◆サブカルライター・古田雄介の物欲刺激度 1.5/3
■ 編集担当Kの物欲刺激度 3/3
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