年収800万円課長のストレスフルな日々。降格の恐怖に怯え、人間関係も希薄に…
年収が低ければ未来が見えず、年収が高いと休みなく仕事に忙殺され高ストレス――。「ほどよく休みがあって、ほどよく高年収」というのが理想だと言うサラリーマンは多いが、人生はそんな都合よく行かない。むしろ最近では、見合わない報酬で激務に追われ、ワーク・ライフ・バランスを失った高収入層も増えているという。ここでは、そんなケースを紹介しよう。
◆課長に昇進するも時給換算でダウン。人間関係も希薄に!
~年収800万円 吉村圭司さんの場合(仮名・39歳/大手通信)~
6/23発売の週刊SPA!に掲載されている大特集『新説[年収500万円]が最も幸せだった』では、その大命題に対する回答を理論的に導き出している。また、「年収500万円でもっとも幸せになる方法」についても3つの対策を新提案。果たして、年収500万円が最も幸せだという根拠とは? それは本誌にてぜひご確認されたし! <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
2年前、同期のうちでは一番乗りで課長に昇進した吉村さんだが、その表情は晴れない。
「役職手当で年収は820万円とアップしましたが、月の残業時間は40時間ほど増え、時給換算ではむしろダウン。土日も出張が入ることが多く、保育園の娘と言葉をかわすのは月に1、2度。そのときも、娘はまったく懐いてくれず、居心地が悪いですね。また、仕事終わりによく飲みに行っていた同期は、嫉妬なのか急によそよそしくなって……。『もう雲の上の人だから』と嫌味っぽく言ってくるヤツもいます」
家族や友人と関係が希薄になってしまった吉村さんだが、そこを修復する余力はなく、今は部下との関係づくりで手一杯だという。
「この2年間、2か月に一度ぐらいのペースで部下の結婚式に呼ばれていて、毎回3万円の祝儀が辛い。20人弱の課なのですが、社員の入れ替わりが激しい部署のため、どんどん独身社員が配属されてくる。今後も年間30万円程度は冠婚葬祭費用として覚悟しなければいけないでしょうね」
まさにハズレくじといった課長職だが、吉村さんは「それでも降格は避けたい」と話す。
「うちの会社では、降格=『仕事についていけなかった』という印象で、万年ヒラ社員の下にランク付けされます。過去に、仕事のつらさに降格願いを提出した課長がいたんですが、一気に備品担当という閑職に追いやられた。周囲からはハゲの外見に引っ掛けて“落ち武者”と揶揄されて、居づらくなったのか、すぐに辞めていました。そうはなりたくないし、上も詰まっているのでこれ以上の昇進は困難。課長職にしがみつくしかありません」
このように、年収が高ければ高いだけのストレスがあり、年収が低ければそれ相応の悩みがある。では、金銭面・精神面・税制面で「最も幸せな年収層」とはいったいどこなのか?
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