「心を病む社畜」と「病まない社畜」は何が違うのか?
多くの場合、社畜であることは会社員の身を助けるが、なかには“仇”となるケースも。数々の有名企業で産業医を務める、榛原藤夫氏(仮名)によると「一番ヤバイのは“地方にある大企業の子会社”に勤める社畜」だという。
「大手の子会社というのは地方ではトップ企業なので、“ここにいれば一生安泰”とか思っている人が多いんですが、実際には子会社なんて真っ先に切られるわけで、飼い主との信用ギャップが激しいんです。そこの人たちが放り出されかけたときに、心を病むケースが多いですね」
特に危険なのは“会社を信用しきってしまうこと”。反対に、“頑張ってるフリ”をするタイプの社畜は、根底に会社への不信感があるので、足元をすくわれることは少ないだろうと榛原氏は言う。
「“頑張ってるフリ”をするのは、世界的なスタンダードです。あなたは会社が好きですかというアンケートを取ったら、アメリカ人は非常に高い確率でイエスと答える。で、ウチの会社は素晴らしいと言った三日後に辞めたりする(笑)。他人は信用できないから、常に人前ではポジティブでいられるようにマインドコントロールしているわけで、実にしたたかなんです。一方で、きわめて日本的だなと思うのが“与党内野党”的な立場を取りたがる社畜ですね」
どっぷり会社に浸かっていて、辞める気など少しもないくせに、なぜか反体制を気取って会社への文句や批判を言いたがるタイプだ。
「心から会社を改革したいという覚悟を持って批判するなら結構ですが、“与党内野党”的な態度を取る社畜は、単に会社に甘えているだけ。息子が母親にやたら反抗するのは、何を言っても見捨てられないと信用しきっているからですが、それと同じ。ですが、そういう社員は、今だとあっさり切り捨てられていまいがち。そこで“裏切られた!”と病んでしまうんですね」
昭和時代の遺産である“与党内野党マインド”の持ち主は、やはり昭和の記憶を持つ40代以上に多いとか。会社との距離の取り方を、いま一度見直してみよう。8/25発売の週刊SPA!では「社畜検定」を行っている。あなたは「出世する社畜」なのか、「ただの奴隷」なのか? 気になる方はぜひご一読を。 〈取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/もりいくすお〉
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