日本と海外で大きく異なる“チップ”の重要性

 いつしかすっかり日本人の自慢になった“おもてなし”精神。だが、訪れる人を歓迎する気持ちは何も日本人だけのものではないはず。果たして海外の“おもてなし”事情はどうなのだろうか。

「形態はさまざまですが、世界中どこの国にも自国をよく思ってもらいたい、海外からの観光客を温かく迎えたいというおもてなしの気持ちはありますよ」

 こう話すのは、60か国以上の訪問経験がある旅行ジャーナリストの大川原明氏。では、具体的にはどのようなおもてなしがあるのか。

チップ1「日本と海外で大きく異なるのは、やはり“チップ”の有無でしょう。海外はチップをあげなかったり少なかったりすると対応が悪くなることがあるのは事実です。でも、それはおもてなしの心がないのではなくて制度の問題。固定給が少なくチップで稼ぐシステムになっている。日本は無料奉仕の精神が根付いていますが、それとは真逆です。アメリカなどはまさにそうで、チップをきちんと与えれば誰よりも親身になって対応してくれる。それも立派なおもてなし精神だと思います」

 チップの有無を例にとって、「日本は無料でサービスしてくれるのに……」と言うのは、日本流しか知らないだけなのだ。

「また、海外では道に迷って困っていると向こうから声を掛けてきて親切に教えてくれることがとても多い。日本では外国人が困っているのを見ても敬遠しがちですが、そこは海外のほうが優れているかもしれません」

 ただ、一方で「やはり日本のほうがいい」と感じる点もあるという。

「例えば急なお願いをしたときのスピード感。ホテルでの対応などで顕著ですが、日本のサービスはどこよりも早くて時間に正確です。また、タクシーも日本は乗車拒否もぼったくりもなく、ドアも自動で開閉する。このあたりは間違いなく世界一だと思いますよ」

タクシー1 とはいえ、根っこに流れる“おもてなし精神”は世界共通。日本だけがおもてなししていると思うのは、勘違いにほかならないのだ。

★おもてなし精神が“独自”であるのはどこの国も同じこと

【大川原 明氏】
1979年、静岡県生まれ。大学卒業後大手旅行代理店に勤務し、海外渡航人生がスタート。現在は旅行ジャーナリストとして活動中。渡航歴は実に60か国に及んでいる

photo by Hajime NAKANO via flickr
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