SPA!12/8号「日本人が愛したスター・ウォーズ」特集 再掲載/高橋ヨシキ氏執筆「SW全エピソードガイド」

12/8号「日本人が愛したスター・ウォーズ特集」内の「SW全作品エピソードガイド」に関して解説・高橋ヨシキ氏の意向とは異なる、編集部が加筆した原稿が掲載されました。ここに高橋氏執筆の原稿を原文ままであらためて掲載致します。

(エピソード4)  遠い昔、遥か彼方の銀河でーー砂の惑星で農家を営む叔父さん叔母さんに育てられた青年ルーク・スカイウォーカーは「俺の人生、このまま、こんなド田舎でくすぶり続けるだけで終わってしまうのか……」とモヤモヤしていたが、ひょんなことから悪の銀河帝国対反乱軍の戦いに巻き込まれることに。ルークは宇宙海賊ハン・ソロと共に帝国軍に囚われていたレイア姫を救い、さらに反乱軍に加わって帝国の最終兵器デス・スターを破壊することに成功する。ルークの師匠オビ=ワン・ケノービは宿敵ダース・ベイダーとの一騎打ちに敗れて霊体になってしまったが、生前のオビ=ワンからルークはかつて〈フォース〉という不思議な力を操る〈ジェダイの騎士〉という人たちが存在し、自分の父親がその一員だったことを聞かされていた。そして、父親を殺した犯人がやはり元・ジェダイのダース・ベイダーという男だということも……。  現在まで続き、そしてこれからも続いていくだろう伝説の始まり。ジョージ・ルーカス監督は幼少時に親しんだ連続活劇の『フラッシュ・ゴードン』から着想を得て、さらに海賊映画から西部劇や時代劇まで、ありとあらゆる娯楽映画のエッセンスを詰め込んだ作品を作り上げた。敬愛する黒澤明監督作品『隠し砦の三悪人』の影響も濃厚で、C-3POとR2D2のキャラクターにもそれがはっきりと伺える。ルーカスは三船敏郎の起用も考えていたが実現しなかった。前代未聞のスペース・オペラを映像化するにあたりルーカスはILMという特撮専門の会社を設立、数々の新技術で驚異の映像を創り出した。特撮のメインはもちろんミニチュアや合成だったが、ILMはこの時点からCGの開発にも取り組んでおり、反乱軍の作戦会議の場面ではワイヤーフレームによるCGが少しだが使われている。

(エピソード5)  帝国軍は反乱軍を一掃するべく一大攻勢をかけていた。ルークはオビ=ワンの霊の導きに従って伝説のジェダイ騎士ヨーダのもとで修行に励む。一方ルークと別行動のハン・ソロとレイア姫の間にはロマンスが芽生え始めていた……が、帝国軍の罠にかかったハン・ソロは冷凍状態にされてしまい、その体は賞金稼ぎが持ち去ってしまう。ルークはベイダーとライトセーバーで対決するが、戦いのさなかベイダーから「私がお前の本当の父親だ」と聞かされて動揺、腕を切られてしまう。退却一方の反乱軍に果たして未来はあるのだろうか……? 「アイ・アム・ユア・ファーザー」というベイダーのセリフに全世界が文字通り震撼した続編。ルーカスは当初から『スター・ウォーズ』に神話的な要素を持ち込もうとしていたが、乗り越えるべき最大の強敵が父親だったと判明したことで、その神話性がくっきり浮かび上がった。緑色の小さな賢者、ヨーダの佇まいも作品の持つファンタジー性を強調している。当時すでに古いと思われていたストップ・モーション・アニメーションを駆使した氷の惑星の戦いをはじめ、特撮技術も一段と進化。これまで難しいとされていた白い背景への合成や、無数のアステロイドの中を縦横無尽に駆け抜けるファルコン号といった驚愕のビジュアルが説得力を持って描かれた。

(エピソード6)  帝国軍は強大な第2デス・スターの建造を進めていた。ルークとレイア、それにランドはハン・ソロを宇宙マフィアのジャバ・ザ・ハットから奪還したのち、反乱軍と合流。反乱軍はデス・スターの防衛システムを叩くため緑の惑星エンドアへと上陸するが、そこにはイウォーク族という小さなクマのような先住民が暮らしていた。ルークはダース・ベイダーによって皇帝のもとへと連れて行かれるが、時を同じくして反乱軍は帝国軍に最後の戦いを挑む。ルークは皇帝に殺されかけるが、最後の最後に改心したベイダーによって命を救われる。そのベイダーも死に、デス・スターも爆発、銀河には平和が戻ったかに思われた……。  前作の「アイ・アム・ユア・ファーザー」は1作目でオビ=ワンが言った「ルークの父親はベイダーが殺した」という話と矛盾するので、それをどう解決するのかと思ったが苦しい言い訳に終始したことは否めない(「見方によってはそうとも言える」というのはいかにも苦しい)。公開当時はイウォーク族についても賛否両論、というかむしろ否定的な意見が多かった。しかし力を持たないイウォーク族が、原始的な武器やトラップで帝国軍に立ち向かう、という構図には黒澤明の『七人の侍』イズムが投影されているわけで、実際観なおすとなかなか感動的なのだが……。

(エピソード1)  ルークが生まれるずっと以前、銀河はいまだ共和制の平和な時代で、ジェダイ騎士団はその平和の守護者だった。ところが辺境の惑星ナブーを通商連合が封鎖したため、ジェダイ騎士団は若きオビ=ワンとその師匠クワイ=ガン・ジンをナブーへと派遣する。オビ=ワンとクワイ=ガンはナブーの女王アミダラを連れてタトゥイーンへ逃れるが、そこで異常なほどフォース能力の高い少年アナキン・スカイウォーカーに出会う。クワイ=ガンらはナブー封鎖の裏に、千年間途絶えていた悪のフォース使い〈シス〉の匂いを嗅ぎつけるが、そのとき彼らの前にシスの使い手ダース・モールが姿を現した! クワイ=ガンはダース・モールとの戦いで命を落とすが、その遺言に従ってオビ=ワンはアナキン坊やをジェダイの騎士に育て上げることを決意する。 「エピソード6」から16年を経て製作された前日譚(プリクエル)1作目。ついに『スター・ウォーズ』が復活! ということで大変な話題を呼んだ。アナキン少年が出場する猛スピードの「ポッドレース」は、かつてレーサー志望だったルーカスならではのアクション場面である。アミダラ姫のドレスやメイクは芸者風味、悪役ダース・モールは歌舞伎風の隈取と日本趣味も健在。対ダース・モールのライトセーバー戦もかつてない激しいものだった。   

(エピソード2)  アナキンは立派な青年に成長していたが、己の力を過信するきらいがあるためオビ=ワンは心配していた。共和国からは分離主義者が離脱を表明、しかしまたまたその裏で糸を引いていたのは〈シス〉だった。アナキンは女王を引退したパドメ(元アミダラ)と禁断の恋に落ちる。分離主義者はドロイド軍で共和国に反旗をひるがえすが、共和国は謎の経緯で生まれたクローン兵団を使って勝利する。  全編デジタルで撮影された初の長編映画。ルーカスはデジタルとCGI技術に映画の未来を見出し、CGで代用できるところはことごとくCGで済ませようとした。が、単なるグリーンの背景の前で芝居する役者は苦労を強いられることに。派手な戦闘シーンを大幅に増やしたためプリクエル1作目より好評だったが、物語上のほころび(タスケン・レイダーを虐殺したアナキンはすでにシス化しているのではないか、など)も目立ち始めた。

(エピソード3)  肥大化した分離主義者こと独立星系連合にさらわれた共和国議会議長パルパティーンをオビ=ワンとアナキンが救い出す。しかしパルパティーンこそ実は長年に渡り陰謀を巡らせていた〈シス〉の暗黒卿だった。アナキンは愛するパドメが死ぬ予知夢にうなされていたが、そんなアナキンの心にパルパティーンが忍び寄ってきた。アナキンはパルパティーンに屈して〈シス〉に変貌、オビ=ワンと対決するが負けて重傷を負う。オビ=ワンはパドメが産んだ双子を別々の惑星に預けるが、これがのちのルークとレイアである。瀕死のアナキンはパルパティーンにより全身をメカで覆われてダース・ベイダーとして新たな人生を歩み始めるのだった。  何もかもすべてパルパティーンの陰謀だったことが判明するが、それは1作目からわかっていたことだったので今さら感は否めない。チューバッカの肩にヨーダがぴょんと飛び乗るところは最高に愛らしかったが……。

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