「18歳になった日に刺青を入れました」家族全員に刺青がある女性が、“大切なもの”を身体に刻み続ける理由
北海道在住のライブ配信者・ぺぺさん(@zl_kz)の身体には、くまなく刺青が彫られている。ワンポイントのタトゥーと異なり、皮膚を広域に覆う毒々しさからは、ついつい凄絶な過去をつい想像しがちだ。だが、彼女が刺青を入れた理由は意外なものだった。本記事では、その人生観に迫ってみたい。
事業を営む両親のもとに生まれたぺぺさんは、現在も家業を手伝いながらライブ配信を続ける。家族仲は極めて良好だ。その関係性こそ、彼女が刺青を入れるに至った端緒ともいえる。
「私が高校1年生のとき、父が刺青を入れたんです。肩のあたりに、母の似顔絵でしたね。その際、父に連れられて彫師のところに行ったんですが、母をいかに愛しているかを彫師に語っていて。子どもながら、『あぁこういう愛情の示し方もいいな』と思いました。もともとあった刺青の怖い印象が、がらりと変わった瞬間だったかもしれません。それ以来、授業中に刺青の雑誌を読んでいました(笑)」
とにかく最速で刺青を入れたかったぺぺさんの行動は早かった。
「18歳になった日の夜中のうちに刺青を入れました。父はむしろ『入れたいなら入れろ』というスタンスでした。ただ母は、泣いていましたね。『大衆浴場に行けないじゃないの』と言っていました(笑)」
だが後年、期せずして母親も刺青を入れることになる。
「あるとき、母が脚に大火傷を負ってしまい……。その痕のせいで脚を出すことができなくなってしまい、気持ちが塞ぎがちになってしまったんです。そこで、火傷痕を隠すためにファーストタトゥーを彫りました。私には双子の姉がいるのですが、彼女もそのあと彫ったので、これで家族全員刺青を入れていることになります。みんな大衆浴場には行けませんね(笑)」
愛情豊かな家庭で育ったぺぺさんは同様に心温かい家庭を望んだ。だがその夢は必ずしも叶わなかったという。
「配信を見てくれている人はよく知っていると思いますが、私は“釣り好き”を公言しています。幼いころに家族でよくやっていた思い出も背景にあるのですが、漁師だった元恋人の影響もあります。
その元恋人との間に子どもができ、当然のように結婚をするつもりでいました。けれども、彼の母親があまりいい顔をせず、結婚の話は頓挫してしまい……。あとで聞いた話では、彼には離婚歴があり、子どももいたようです。ふたりに会いづらくなるという理由で、彼の母親は私との結婚に反対だったようです。
結局、子どもは子宮外妊娠という形で出産に至らず。私は入院を余儀なくされましたが、入院した原因についても元恋人は母親に対して事実を告げていなかったらしいのです。大事な話を、何もしれくれない人でした」

ぺぺさん
「入れたいなら入れろ」という父に対して、母は…
大事な話をしてくれなかった元恋人
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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