更新日:2016年01月27日 21:13
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「昼休み後に眠い」のは“糖質たっぷり”ランチが原因

 昼休みが終わっても、しばらくは眠くて仕事がはかどらない……という人は多いのではないか。実はこの現象、“ランチに糖質(おにぎりや麺類や菓子パンなど)をたっぷりとった日”に特有の現象なのだという。「昼メシを食べたから眠くなる」わけじゃないのだ。 「食後の眠気は“機能性低血糖”のサイン。糖質を過剰に摂取する食事をしたあと、血糖値が急激に上昇し、それを下げるためにインスリンが大量に分泌された結果、今度は血糖値が下がりすぎて低血糖状態に陥っている。それが眠気を引き起こすのです」と解説するのは、医師の白澤卓二氏。 「昼休み後に眠い」は食べた物のせい さらに、血糖値が上がったり下がったりすることで、抑えがたい食欲に襲われるハメに……。かくして、何度もコンビニとの間を往復して間食をむさぼるはめに。眠気と空腹が交互に襲ってくる悪循環の中では、仕事に身が入るはずがない。  そもそも、こうした事態が起きるのは「エネルギー源をブドウ糖だけに頼っていること」が原因だという。 「脳がエネルギー源として利用できるのはブドウ糖だけ、という説がずっと信じられてきましたが、これは根拠のない間違った説でした。現在は、『ケトン体』と呼ばれる、体内の脂肪からつくられる別のエネルギー源の存在が広く知られています」  人類の歴史をひもとけば、われわれの祖先は200万年前から「狩猟採集民」として生活してきた。農耕が始まったのはわずか1万年前のことだ。それ以前は、総カロリーのほとんどを脂質とタンパク質が占めており、炭水化物は“ときどき食べるごちそう”程度のものだったという。 「こうした生活を続けていたので、人類の細胞に存在する2万3000個の遺伝子は、長年もっとも多く食べていた脂質を分解するように設計されています。それなのに、農耕を始めてから、私たちの食事内容は脂質と炭水化物のバランスが逆になってしまった。私たちの細胞は、脂質を燃やすように進化してきたのに、現実的には大量の炭水化物を燃焼させられている。これによって、細胞がパニック状態に陥っており、そのパニックこそがさまざまな病気や不調の真の原因なのではないかと考える研究者が増えてきているのです」  テニスのジョコビッチ選手は「グルテン過敏症」という、小麦由来のアレルギーに長年苦しめられてきた。 「グルテン過敏症は、日本では医師の間ですらあまり知られていないため、診断ができないのが現状ですが、潜在患者はかなりいるだろうと予測されます。もし毎朝、食パンを食べていれば、知らず知らずのうちにグルテン過敏症になっている可能性は否定できません」  仕事の効率が悪いのは、食べ物のせいかもしれない。 イラスト/もりいくすお ― これがバカになる食事だ! ―
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