人気脚本家・古沢良太「『そんなに大したものを書いてない』っていつも思ってます」
――たとえば、プロの脚本家になってから一番悔しかったことでも?
古沢:悔しいことも忘れちゃうんですけど、基本的に身に余る評価をいただいている気持ちがいつもあって。「俺、そんなに大したものを書いてないよ」って思っているんです。だから、周りの評価に対しても悔しいと思わないのかもしれません。
――「身に余る評価」?
古沢:だって、昔の映画やドラマってもっとすごいですよ。黒澤明監督の映画も向田邦子さんのドラマもすごい。しかも、おふたりとも手書きで書いていたわけですよね。インターネットなんかない時代だから、調べるのもいちいち辞書を引いたり、取材したりしたはず。僕は、その何百分の一のスピードで調べたりできる。鉛筆じゃなくてパソコンだから直すのも簡単。なのにかなわないって、どういうことなんだろって打ちひしがれます。
【古沢良太】
’73年、神奈川県生まれ。『アシ!』で第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞を受賞してデビュー。『ALWAYS 三丁目の夕日』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞、『探偵はBARにいる』で同賞優秀脚本賞を受賞
※このインタビューは4/19発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです
取材・文/唐澤和也 撮影/寺川真嗣
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