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人気脚本家・古沢良太「『そんなに大したものを書いてない』っていつも思ってます」

 映画、ドラマにヒットを連発する脚本家・古沢良太。このほど公開される映画『スキャナー 記憶のカケラを読む男』では、主演に野村萬斎を迎え、モノに触れることで残留思念を読み取る異能者を主人公にして一風変わったミステリーを書き下ろした。人気脚本家が明かす“アイデアの源泉”と“知られざる素顔”に迫った。

古沢良太

古沢良太

――『ALWAYS 三丁目の夕日』ほか数々のヒット作を手掛けてきたわけですが、ご本人的にはとくに自信作となると、どの作品になるのでしょう?

古沢:ないんですよね。『三丁目の夕日』にしても、監督がとてもよい仕事をされた結果であって、自分としては、そこまでの手ごたえはない。いつも「もっとああすればよかった」という後悔ばかりです。恥ずかしくて自分の関わった作品を見返したり、脚本を読み返したりすることもまずしません。

――意外ですね。登場人物のセリフ回しが特徴的な古沢作品ですが、例えば、役者のアドリブでセリフが変えられることに抵抗感はありませんか?

古沢:それはまったくありません。思った通りに演じてもらっても、イメージと違っても、どっちもうれしい。今回の萬斎さんのアドリブなんて、自分が想像した以上の説得力がありましたから。「こんなふうに演じるんだ」って驚きがありました。ただ、俳優が勝手にやったことで僕が批判されるときは、ちょっとだけ腹が立ちますけど(笑)。

――本作では、「記憶」というものがひとつのキーとなります。古沢さんにとって、記憶とはどのような存在でしょうか?

古沢:同じ出来事なのに、みんなが違うように記憶していることってありますよね。「こうであってほしい」という誰かの“願い込み”の記憶が混濁されて、それぞれの心にそれぞれの形で記録されているというのが、非常に愛おしく感じます。だからこそ争いも起こるし、非常に厄介なものでもあるとも思います。

――ご自身の記憶力のほどは?

古沢:それが全然、大したことがないんです。すぐ忘れちゃう(笑)。

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プロの脚本家になってから一番悔しかったことでも?

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