リオ五輪「競泳プールが緑に変色」は異常なのか?
夏が終わると緑のプールを目にするが、それは循環ろ過装置が運転しておらず、藻が発生しているからだ。厚生労働省「遊泳用プールの衛生基準」でも「プール水は、常に消毒を行うこと」が明文化されており、塩素による消毒も藻の繁殖を和らげる。藻が発生した場合は、「スーパークロリネーション」という殺藻処理を行い、濾過機を連続運転することで、再び透明な水に戻すことができる。
リオ五輪の競泳プールは競技中も緑色が濃くなったが、すぐ隣にある水球やシンクロナイズドスイミングに使われるプールは透明色のままだったという。
女子シンクロ高飛び込みで5位の英国トニア・カウチ選手も、「こんなプールに飛び込んだのは初めて。ウォームアップ時に気がついて、競技が始まった時にはもっと緑が濃くなったけれど、競技にはあまり影響はなかった」と驚きを語った。
競技終了後、組織委員会が「リオ五輪関係者によって、高い質の競技環境が守られることは非常に重要。検査が行われ、水質は安全という結果を得た。何が原因だったのか調査している」とのコメントを文書で発表した。とはいえ、夢の舞台で藻にまみれる気分は、どんなものなのだろうか。 <取材・文/北村篤裕>
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