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ベビーカーに乗ってスマホを触る赤ちゃん…スマホ子守は“母親の甘え”なのか?

「スマホ子守」をする母親の本音、同情する声も

「スマホ子守」に批判的な意見が目立つ一方で、子育てを経験したことのある母親や既婚の男性からは、共感や同情の声も聞かれた。 「子供にスマホを見せたら放置ママ、赤ちゃんが泣いたらうるさいから黙らせろ、混雑した電車でベビーカーを使ったら邪魔だから周りに配慮しろ、こうした見えない重圧は私が子育てをしていた当時にも強く感じました。そんな世の中で『少子化対策だ』なんて叫んでも、母親たちは我慢を強いられるだけです。仕方なく『スマホ子守』をしてしまう母親の気持ちがわかるだけに、場面を想像するだけで胸が苦しくなってきます」(40代・公務員の女性) 赤ん坊 かつては批判的な立場だった男性も、結婚して子供を授かったことをきっかけに考えは変わったという。どうしても当事者でないと理解できない行動はあるようだ。 「結婚して自分の子供ができたら、絶対にスマホは触らせないようにしようと思っていました。独身の時なんて、子供にゲームやスマホを与えている親を馬鹿にしていましたが、いざ父親の立場になると、スマホの動画を見せて静かにしてくれるなら、外出先くらいは…という気持ちが痛いほどわかります」(30代・メーカー勤務の男性)  実際に「スマホ子守」の経験がある前出の母親は、こう悩みを打ち明ける。 「いくら私が頑張っても、子供が言うこと聞かないこともじっとできず泣いて暴れてしまうこともあります。そのときは本当に大変で、横で呆然と立ち尽くしてしまう自分を想像すると、スマホを見せるのは良くないと思いつつ、電車では怖くて仕方なく見せてしまいます。この思いが、周りの方にも理解されたら救われるのですが…」  “他人に迷惑をかけない”最善の策として、スマホを子供に触らせてしまうことがあるという。たまたま見かけたときは「子供の成長によくない、非常識な親だ」と決めつけてしまうかもしれないが、それは子供にどうしても静かにしていてほしいときの緊急策という親も多いというのは事実である。周囲の見えない重圧によって、母親の肩身が狭くなってしまう現実がそこにはあった。  そして「子供にとって悪影響」という考えは、テレビやゲームに対しても以前に散々言われてきたものだ。しかし、そのように断言できる根拠はどこにあるのだろう。いずれにせよ、子育てに息苦しさを感じて過ごしている親がいる。その人がなぜその行動をとったのかに思いをめぐらせ、他人に対して寛容になることこそが、子育てしやすい環境をつくるのではないだろうか。 <取材・文/北村篤裕>
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