「舌打ちをこらえるのに必死」“駅そば店員”が頭を悩ませる迷惑客。券売機に行列をつくるサラリーマンには「後ろ見て」
移動の合間を縫って食事がとれる駅そばは勤め人にとって誠に重宝な存在だ。特に、近年減ってきているホーム店は移動手段(=電車)のすぐ横で営業しているのだから、究極のファストフードと言えるかもしれない。
ただ、「駅そば=早い」というイメージが先行し誤解を生み、誤った利用をしているお客も少なくない。
昼のピークタイムを過ぎた土曜午後3時過ぎ。筆者が厨房後ろの事務所で退勤支度をしていると、もう1人の店員のお客の注文を読み上げる声が聞こえてきた。
「ざるうどん2倍盛り、豚肉、煮玉子トッピング」「ざるうどん2倍盛り・煮玉子2個トッピング」「中華そば大盛り・ちくわ天付き」「チャーシューメン大盛り・山菜・煮玉子付き」
どれも手のかかる注文ばかりで、客席を見るとスポーツ部の練習帰りらしき男子学生4人が大きな荷物を抱えてカウンターの一角を占めている。その後も来店が続き、客席はあっという間に満席に。
まだ不慣れな新人のワンオペだったこともあって、結局最後の学生の注文を提供し終えるまで10分以上が経過していた。煮玉子などは仕込みが底をついたのではないだろうか。
アイドルタイムだからと油断した店側が悪いのは百も承知だが、部活帰りの腹をすかせた学生4人が欲望のまま注文した際の作業マニュアルなどない。どちら側も運が悪かったとしか言いようがない。そして最も不運だったのはその直後に来店した「かき揚げそば」のお客だろう。
駅そばの売りである「安い・早い・うまい」のうち、最もシビアに要求されるのが「早い」だ。筆者が働いている店舗では「食券を受け取ってから1分以内で提供」というルールが一応ある。しかし、冒頭のように、お客の来店の流れによっては不可能なケースも少なくない。
たとえば、これはサラリーマンに多いのだが、複数で来店し最後の1人が食券を購入し終えるまで券売機の前を離れないという行為だ。券売機の前に行列ができるし、注文も立て込むので購入した順から店員に食券を渡してもらいたい。
全員隣り合った席にこだわるのもサラリーマンに多い特徴だ。カウンターだけの店舗で忙しい時間帯に4人分の席をつくるのはまず不可能と思っていただきたい。
行列をつくるといえば、券売機の前に長い時間居続けるのもできればやめてもらいたいところだ。お年寄りや外国人旅行者など券売機の操作に不慣れそうなお客には店員が出向いて操作方法を教えるようにしているのだが、それも限界がある。
とにかく券売機の前で考え込んでしまったら、一度後ろを振り返ってもらいたい。自分の後ろがドラクエ状態で列をつくっているということもよくあるからだ。
部活帰りの腹をすかせた学生4人組が来店しパニック状態
“みんな一緒”にこだわるサラリーマン客
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