ネットを使って違法行為をする“隠れ半グレ”が増加
取材班が会った20代のなかには、従来の半グレのイメージに近いオラオラな者もいたが、そんな彼らも逮捕やトラブルをキッカケに変わっていった。六本木の不良グループに属していた本田良明氏(仮名・29歳)もその一人。
「闇金業者をやっていた仲間が、顧客名簿を盗もうと事務所を漁って、ヤクザに見つかったんです。そいつはマンションの3階から飛び降りて逃げたんですが、結局あとで捕まって音信不通に。1か月後にようやく現れたと思ったら、ボコボコにされすぎて歩き方がペンギンみたいになってました」
仲間の変わり果てた姿を見て、グループは解散。本田氏も運送会社で働きながら、「こっそり小遣い稼ぎをするぐらい」だそうだ。
「ギャンブルにしても、昔は裏カジノやマンション競馬に行ってましたが、今は海外のサーバーを使ったサッカー賭博にシフトしてます。オッズはLINEで送られてくるし、試合も家で観れるから、捕まるリスクも少ない」
パソコンやスマホ一台で“手軽”に違法行為を行う世代の若者たち。大人たちからしてみれば「ステルス機のように正体が見えない」という若者世代の特徴が犯罪の世界でもみられる。大っぴらに暴力を振るうような若者が減るのは大歓迎だが、気づかずに犯罪者に接してしまう危険は増している。
― [ステルス世代]の若者たち ―
1
2
ハッシュタグ