更新日:2022年10月01日 01:19
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「『ポジティブ偽装』の人は病気になりやすい」数百人の病を改善させたメンタルトレーナーが断言

出来事に対する解釈を変える

 では、それがわかったところで具体的にどんな対処をすれば良いのか? 「実際のメソッドでは色々ありますが、一つは15分単位で1日の行動を記録し、それが報酬系だったのか苦痛系だったのかを見直し、改善していく課題。他力本願な人はうまくいかないですが、『こんなにやりました!』と言って、びっしり書き込んだノートを見せてくるような人は展開が早いですね。そのうち病気のこともあまり気にしなくなり、いつのまにか改善していたというケースが多いです」  また、同じ出来事でも「これは悪いことではない」と解釈しそれに慣れる必要がある。梯谷氏はこれを思考の避難訓練と例える。  仕事であれば、上司から取引先から何か言われた場合に不安や怒り、「踏み込まれた感」を覚えるが、 「上司が罵倒してきたとしても、それは会社や上司の価値観で言ってるだけ。なのに、多くの人は自分そのものが否定されたと勘違いしてしまいがちです。だから、今度同じことをされたら、こう解釈しようと線引きをしておく。ホリエモンさんがよく、トラブルが起きても『想定内』と言っていましたが、うまくいってる人たちは普段からそういう考え方をしています。他者の反応という外的基準ではなく、自分自身の解釈による内的基準で自己評価をできるようになると、批判も単なる情報として受け止められストレスが減り、脳の健康が復活してきます」という。  もう一つは、やりたくないことを明確にしておくことだ。 「成功者と呼ばれる人や、上場企業の幹部の手帳には『やらないことリスト』がびっしり書いてあります。嫌なことが起きても、自分の基準に反してるのでやらない。自分に踏み込ませないのです」  やりたくないことを無理やりやったり先延ばしにすると、脳内に「無駄なアプリケーションがバックグラウンドでたくさん立ち上がっている状態」が作られパフォーマンスが下がるのだ。  しかし、やりたくないことでもやらざるを得ないことだってある。その場合は、「思考の時間軸」を変える。 「たとえば、パーツを毎月届けてくれる雑誌の『ディアゴスティーニ』は完成予想図がわかっているから変なものが届いても不快ではない。しかし、完成図がわからないと捨ててしまいますよね。それと同じで、今起きている出来事は未来に必要な材料の一部だと思えば良い。『嫌なことをやらされている』ではなく、未来のために何故それが必要で、何をそこから学ぶのか再考するんです。その上で、どうしても必要ないと思うのであれば、環境を変えれば良いのです」
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環境を変えられない人は自己防衛を
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