更新日:2022年10月01日 01:19
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「『ポジティブ偽装』の人は病気になりやすい」数百人の病を改善させたメンタルトレーナーが断言

環境を変えられない人は自己防衛を

 とはいえ、すぐに環境を変えられない人が圧倒的多数と思われる。中でも特に、ストレスの大半は人間関係が原因と言われるだけにその“応急措置”も提示してもらった。  嫁いびりをしてくる姑に悩み、うつ病になってしまったクライアントの妻の例。  姑は近所に住んでおり、必ず週三回はやってくるため避けようがないという。  そこで梯谷氏は、姑が来たら「お義母さん、これからも何かあったらすぐ注意してくださいね」と言うよう女性にアドバイスした。女性がそれを実行すると、不思議なことに姑はピタリと来なくなったのだという。 「『上位相補性の法則』といって、嫁に頼まれたとおりに姑さんが注意すればするほど、嫁の思惑に従っていることになり立場が逆転するのです。すると姑さんは自分が優位にいるはずなのに不快感が募り、お嫁さんとの接触を避けるようになったというわけです」  もちろん仕事にも応用できる。 「『先入観の罠』といって、人は周囲が自分に対してどういう先入観を持っているか知ると、それに応じてしまう習性があります。それを逆利用するのです。たとえば嫌な上司には『いつも助けてもらって感謝します』『本当に良い人ですね』などと先手を打つと、上司はそのように行動せざるを得なくなるか、居心地が悪くなりあなたから距離をおくようになります」  お世辞であることがバレないようにするのがポイントであるが……。  余計なストレスから自らを防衛しつつ、苦痛に思っていることに対しては再定義を行う。こうした“脳の動かし方”は、少なくとも幸福感を上昇させ、ストレスを根本から撃退することには十分役立ちそうである。  次回は、医療との相互関係について詳しく見ていく。 【梯谷幸司】 心理技術アドバイザー、ドランスフォーメーショナル・コーチ、経営コンサルタント、NLPトレーナー。トランスフォームマネジメント株式会社代表。人間心理、言語学心理、NLP(神経言語プログラミング)、LABプロファイルなどの分野で世界的な専門家に師事し、20年以上、科学的手法に基づいた理論を実践。http://transform-works.com/
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