ビットコイン投資 大図鑑21 テザー

 仮想通貨は日々増殖している。世界中で仮想通貨を発行して資金調達を行う「ICO」が実施されているためだ。一体、どのコインがさらなる成長余力を秘めているのか? 主要コインを徹底研究! Tether

テザー(USDT)

仮想通貨のフリをした事実上の法定通貨!? 公開日 ’14年10月 発行量上限 なし ’17年上昇率 0% 過去最高値 1.21米ドル 直近価格 1米ドル ※直近価格は3月10日時点

常にドルと同等の価値を持つステーブルコインの用途に注目

 常に価値が変動する仮想通貨の中にあって、テザーの価格はほぼ1USDT=1米ドルと固定されている。その仕組みは単純だ。USDTを発行するテザー社に1米ドル預けると、1USDTが発行されるのだ(この仕組みはPoR=プルーフ・オブ・リザーブという)。つまり、常にテザー社の米ドル保有高と発行されているUSDTは釣り合っている……はずなのだ。  なぜ、「はず」かと言えば、’18年1月以降、テザー社に疑惑の目が向けられているからにほかならない。米国商品先物取引委員会(CFTC)はテザー社を招集。わずか半年でUSDTの発行量が10倍に膨れ上がった原因の調査に乗り出している。  ただし、ユーザーからすれば、テザーを使うメリットは大きい。他の仮想通貨と比較して価格の変動リスクが小さいため、避難通貨として利用しやすい。おまけに、体面上は仮想通貨なので、銀行から米ドルを送金するよりも送金コストが安い。  実際、’17年9月に中国の仮想通貨取引所が閉鎖されると、中国人投資家は香港の取引所などでテザーを買い、それを海外の取引所に送金して仮想通貨を買い漁ったという。 ●1USDT≒1米ドルでほぼ固定された特殊通貨 ●仮想通貨界の“避難先”として人気化 ●法定通貨と変わらないのに送金コストは安い ― メジャー仮想通貨大図鑑 ―
おすすめ記事