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営業畑一筋の40代、副業OKでも「何をしていいのかわからない」現実

 政府が旗振りをする“働き方改革”の一環で、これまではNGとされていた副業や兼業を解禁する企業もチラホラ。残業は減り、余った時間で収入アップといきたいところだが……東京都内の人材系企業に勤める佐々岡さん(仮名・40代)は、会社が取り組む「残業の禁止」と「副業の奨励」によって追い詰められつつあるというのだ。果たして、現場ではなにが起きているのだろうか。

改革つらい

“副業OK”の裏で本末転倒な現実も…


「副業って言ったって何をすればいいのか。趣味もなけりゃ得意分野もない。営業一本でやってきて潰しも効かない。まさかこの年齢で土木作業員やコンビニでレジを打つのか」

 佐々岡さんは大学卒業後に大手インフラ系企業に就職。その後、10年ほどして現在の人材系企業に転職した。「派遣法」の改正で、ちょうど人材派遣業界に「春」が訪れていたタイミングだった。

 営業畑一筋だった佐々岡さんだが、社長賞を年に数回受賞するほどの成績。小世帯ではあるが「部長」の肩書も得た。しかし、政府が「働き方改革」を提唱して以降、佐々岡さんの将来に陰りが見え始めた。

「人材系企業ですから、会社として働き方改革には真っ先に取り組むべき、ということです。まずは残業が一切禁止された。自宅での仕事も厳しく禁止されていますが、実際、若手は持ち帰って仕事をやっている。スタートと同時に形骸化しているシステムに何の意味があるのか……。さらに“多様な働き方”の推進がうんぬんで『副業しましょう』なんて言っている。デザイナーの社員なんかは、実際に副業でポスター作ったりウェブデザインやったりして、月に数万円の副業をしている人間もいるそうですが」

 働き方改革によって減った給与の差額分を、実際に副業によって稼ぎ出す社員もいることはいるが、佐々岡さんを含む大多数は、これといった特別なPCスキルもない中年の営業職。副業をしようにも、何をしてよいのかわからず、ただただ減収を受け入れるしかない……というのが実情のようだ。一方で、若手の社員はどうか。

「部下の若い社員が、運動もかねて“引越し”のアルバイトを始めたと言ってました。若い奴はいいな、などと思っていたのですが、副業の疲れなのか本業のほうが疎かになった。勤務時間中に居眠りが増えたり、ケガして病院に行くだの……。まさに本末転倒ですよ」

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部下から愚痴をこぼされても言い返せない

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