更新日:2022年12月28日 18:14
仕事

営業畑一筋の40代、副業OKでも「何をしていいのかわからない」現実

部下から愚痴をこぼされても言い返せない

 そんなある日、中間管理職である佐々岡さんは、飲みの席で部下から次のようなひと言を突き付けられたという。 「酔っていたからかでしょう。働き方改革なんて、若者にもっと働け、老人も引退せずに死ぬまで働け、と強制する制度だと部下に指摘されました。柔軟な働き方、などというのは詭弁であり、ひとりにつきひとつの職場ではなく、朝から晩まで、土日もなく働き続けなければ、超高齢化社会はすぐに破綻するのだと……。部下なりの本音だったのでしょうが、私だって『その通りだ』と言いたかった。でも、立場がそれを許すわけがない」  佐々岡さんは、働き方改革、そして副業推進のモデルケースになるよう上層部から圧力をかけられている。意を決して「在宅ワーク可能」と謳うデータ入力やネット記事執筆のアルバイトに応募するも、合否の結果すら返ってこなかったと嘆く。  ハローワークで「ダブルワーク可」の求人を見つけても、クリーニング工場や警備員など、とても本業の傍らに出来そうもない、ハードな仕事ばかりだった。  政府が掲げる「柔軟な働き方」とはいったい何だろうか? 「改革」という心地よい聞こえの裏には「今よりもっと働け」「休むな」というメッセージが秘められている気がしないでもない。<取材・文/山口準> ― 不満続出! “働き方改革”のリアル ―
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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