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「残業させない」の本音は「自宅でやれ」。私用PCを持って定時退社する理不尽

 いま政府や各マスコミで“働き方改革”が叫ばれているなか、実際の効果はいかほどのものなのか。大手を中心に推進する企業も増えてきたが、現場で働く様々な人たちを取材してみたところ、聞こえてくるのは悲痛の叫び。一体なぜなのか!?

 時短勤務や定時退社もその一環といえるだろう。社員にとってプライベートの時間が増えることはうれしいはずなのだが……そこには現実と見合っていない形だけの“働き方改革”があった!

ブラック企業

定時退社を推進する企業も増えてきたが、その裏で社員たちは…

“働き方改革”は「いい迷惑」でしかない…


 東京都内にある超大手企業が所有するビルから、17時ピッタリに続々とスーツ姿のサラリーマンが、まさに吐き出されるようにゾロゾロと出てきた。人数にして百数十人。その中に、その超大手企業の子会社に勤務する松井さん(仮名・29歳)の姿があった。

「自宅まで戻っている時間がない……。急いで喫茶店かネットカフェに行かないと」

 勤務後は足早に、というよりほぼ全力疾走に近い形で街に出た松井さん。見たい野球やサッカーの試合がある、というわけではない。

「20時までに先方に見積もりを送らなきゃならないのに……会社を追い出されるんですよ。たまんないっす」

 松井さんの勤務する会社では、親会社である超大手企業の意向によって、残業を厳しく制限されるようになった。超大手広告会社「電通」社員の過労による自殺騒動などが起き、日本政府も「働き方改革」を推進するようになった事が原因であるが、松井さんのような子会社の社員にとっては「いい迷惑」でしかない。

「親会社は業界大手ですから、政府の言うとおりに、半ばパフォーマンス的に残業を無くせとか、休日出勤するなとか、社員に指導するでしょ? 僕ら子会社は、理不尽な残業、時間外労働をすることで親会社を支えていたにも関わらず、それを親が許してくれないんですよ。おかしくないですか、こんなの……」

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「残業は許さない」=「残業は自宅でやれ」

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