ライフ

死亡率は30%…大人でも感染する「溶連菌感染症」の恐怖

梅雨を迎え、いよいよ本格的に夏に突入していこうとする6月。気温と湿度が高まるこの時期は、細菌やウイルスの増殖、あるいは精神の変調によって、多くの“ヤバイ病気”がはびこるタイミングでもあったのだ。命をおびやかす病の正体を追った! 6月に急増[死に至る病]

子供の病気にあらず。劇症型は24時間以内に死に至ることも!

死のリスク★★★★☆ 罹患リスク★★★★☆ ※数値は各識者の所見、厚生労働省発表の統計データを参考に、編集部で算出したもの  2~5日間の潜伏期の後、発熱や倦怠感、喉の痛みなどの症状が表れる溶連菌感染症。冬に多いと思われがちだが「初夏にかけても感染リスクが高い」とは、消化器・肝臓専門医の高橋宏樹氏。 「花粉症や夏風邪で唾や鼻水が飛び交い危険性が高まります。また、子供の病気のイメージが強いですが、感染力が強く大人がかかることも珍しくありません」  特に“人食いバクテリア”の名で知られる劇症型溶血性レンサ球菌感染症では昨年6月、42歳の若さで埼玉西武ライオンズの森慎二コーチが亡くなっている。 「溶連菌が筋肉や血液、肺などに侵入して高熱や体の痛みが出ます。進行が速く数十時間で亡くなることも。死亡率は30%に達します」  3年前に溶連菌感染症にかかったという志村直樹さん(仮名・40歳)は、当時をこう振り返る。 「夏風邪かと思ったんですが市販の風邪薬で治まらないし、あまりにも喉が痛くてご飯も食べられなくて。仕事にならず病院に行って発覚しました。幸い劇症型ではなかったですが、取引先に菌を持ち込んでいたかと思うと、しばらく落ち着きませんでしたね」  さらに小児科医の金高太一氏は、大人がかかると重症化しやすい病気としておたふく風邪を挙げる。 「成人男性がかかると睾丸炎の合併症を起こし、無精子症になることも。脳炎の危険性もあります」  子供にうつされないよう警戒を。 <この病にも要注意!> ・おたふく風邪 成人男性の発症は、20~30%が睾丸炎の合併症を起こし、うち10%が無精子症になるとも。「まれですが脳炎を起こす場合もあり、ワクチンの接種を強くオススメします」(金高氏) ・ヘルパンギーナ 38℃以上の高熱と口内に水疱ができる。赤ちゃんのオムツ交換から感染することも。「夏風邪の一種ですが大人だと重症化しやすく、まれに髄膜炎や心筋炎を併発します」(金高氏) 【高橋宏樹】 消化器・肝臓専門医。高橋医院副院長。日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本免疫学会に所属。「左利きの肝臓専門医のブログ」http://www.hatchobori.jp/ 【金高太一】 小児科医。東京・十条のおひさまクリニック院長。子供の感染症やアレルギー疾患などの豊富な診療経験を持つほか、発達障害などにも精通 ― 6月に急増[死に至る病] ―
おすすめ記事
ハッシュタグ