更新日:2022年12月30日 10:04
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夏の咳は死を招くことも…「夏型過敏性肺炎」の恐怖

梅雨を迎え、いよいよ本格的に夏に突入していこうとする6月。気温と湿度が高まるこの時期は、細菌やウイルスの増殖、あるいは精神の変調によって、多くの“ヤバイ病気”がはびこるタイミングでもあったのだ。命をおびやかす病の正体を追った! 咳

小手先の処置では対策不可! 木造住宅に潜む病

死のリスク★★☆☆☆ 罹患リスク★★★☆☆ ※数値は各識者の所見、厚生労働省発表の統計データを参考に、編集部で算出したもの 「咳が2週間以上止まらなくて病院に行ったら肺炎と診断されました。咳のしすぎで喉からお腹にかけてつったように痛むし、夜も寝られない。本当に死ぬかと思いましたよ」と語るのは山形浩二さん(仮名・31歳)。転職を機に上京した2年目の夏、咳と微熱に見舞われたのだとか。  呼吸器内科医の大谷義夫氏いわく、「カビのアレルギーによる夏型過敏性肺炎は6~9月にかけて発症のピークを迎えます」という。 「原因となる住居関連カビ『トリコスポロン』が温度25℃以上・湿度60%以上で繁殖するためです。慢性化すると、肺線維症を起こして酸素と二酸化炭素の交換ができなくなり、命を落とすことが」  カビは水回りは無論、築15年以上の木造住宅が要注意だとか。 6月に急増[死に至る病]「木が好きで木造部分に潜みます。問題はカビ取り剤などでは根絶できないこと。木造部分をリフォームするか転居するしかありません」  実際山形さんは「家賃を抑えるため、築35年のアパートに引っ越してきた翌年です」と振り返る。  続いて大谷氏は「特に30~40代は、この時期爆発的に増えるはしかにも気をつけて」と警告。 「国の政策で、現在27歳以下の人はワクチンを2回打っていますが、28歳以上46歳未満は1回だけ。ワクチン空白の世代なんです」  該当者は今すぐ予防接種へ。 <この病にも要注意!> ・はしか 「空気感染が感染ルートのため、マスクや手洗い、うがいでは防げません。重症化すると肺炎や脳炎を併発することがあり、1000人に1人が命を落とします」(大谷氏) ・ゴキブリぜんそく ゴキブリをアレルゲンとして発症するぜんそくで、米国の都市部ではアレルギーの原因としてダニを抜いてトップ。日本でもゴキブリアレルギーを抱える人が約15%存在する 【大谷義夫】 池袋大谷クリニック院長。日本アレルギー学会指導医。著書に『疲れやすい、痩せにくいは呼吸が原因だった』(二見書房)ほか多数 ― 6月に急増[死に至る病] ―
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