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現役引退も囁かれた中村紀洋、高校野球のコーチ就任から1年。“中村紀洋の指導法”とは?

 横浜DeNAベイスターズを退団後、現役引退も囁かれた中村紀洋が、高校野球のコーチに就任し世間を驚かせてから1年。今なお自身を“現役”と語り、球児の育成、プロゴルフテストなど、挑戦を続ける日々を送っている。中村紀洋はいったいどこへ行こうとしているのか? 生涯現役を貫く男が知られざるセカンドキャリアを語った! 中村紀洋/元プロ野球選手

現役時代はホームランしか狙ってなかった

――突然の高校野球のコーチ就任。その経緯を教えてください。 中村:浜松開誠館高校野球部の佐野心監督から「教えに来てくれないか」と連絡があったんです。 ――佐野監督とは以前から親交があったのでしょうか。 中村:僕と佐野監督は’91年のドラフト組で同期なんですが、実は連絡があるまで僕は話したことなかったんですよ。だから、連絡があったときはビックリしましたね。 ――気になるのは“中村紀洋の指導法”です。 中村:当てにいかない。とにかく振りなさい。大きなポイントはこの2つ。それと、打撃は人それぞれなので、同じことは言わないようにしてますね。基本はいじらない。教えるというよりも、無駄なものを省いていく感じですね。それと大事なのは接し方。彼らはプロじゃないから「できない」と思って接してます。でも、どんどん「できる」ようになる。そしたら、こんなんできるんや、すごいな、おまえ。じゃ、次これやってみようって。難しいのはここからで、できたことの継続なんです。 ――継続……ですか? 中村:打てるフォームを早く固めて、元に戻さないようにする。これが難しい。ひと晩寝たら戻るんですよ。だから元のフォームに戻さないために練習する。打てなくなると結果を求めていろんなことを試すんです。欲が出るんですよね。大切なのは頑なに信じること、結果は求めないことと話しています。でも、プロでも難しいですからね、こればっかは。 ――豪快なイメージの強い中村さんですが、野球選手時代は練習の虫だったと聞きます。 中村:練習はめっちゃしましたよ。嫁さんの兄貴に若い頃は可愛がってもらったんですが、遠征先でメシ食って酒飲んで帰ってきて、どんだけ酔っ払ってても「よっしゃ、エレベーター前集合!」で、そこから素振り(笑)。エレベーターのピカピカしたステンレスのとこあるじゃないですか。あの細いとこを鏡にしてフォームを確認しながらね。 ――それはまたすごいですね。では、思い出に残る指導者の方はいらっしゃるのでしょうか。 中村:水谷実雄さん、仰木彬さん、落合博満さんですね。水谷さんは僕が入団3年目にヘッドコーチとして来られました。広島では前田智徳さんや江藤智さんを育てた方ですね。水谷さんの指導が僕の求めているもので「この人についていこう!」と思いました。
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