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片山晋呉の「不適切行為」は非礼ではない。日本ゴルフ改革会議事務局長・上杉隆が語る

大事なのはコースに足を運んでくれる観客

――今回の騒動は、選手会長に石川氏が就いたことをきっかけに、ファンサービス向上の「改革」が叫ばれるなかで起きてしまった。 上杉:プロゴルファーのファンサービスとは、「接待ゴルフ」をすることでも、観戦記念のピンフラッグを売りさばくことでもなく、純粋にいいプレーで観客を魅了することに尽きる。今回の騒動は、「スポンサー離れ」が進むなかで起きたと報じられていますが、事実はまったく逆。むしろ、日本の男子プロゴルフ団体がスポンサーのほうばかり見ていたために、「ファン離れ」が加速し、ゴルフ人口が減ってしまった過程で起きたと考えるべき。  ゴルフ団体やプロ選手にとって一番大事なのは、あくまで「お金を払ってコースに来てくれる観客」です。例えば、米国の「AT&Tペブルビーチ・プロアマ」は「PGAツアー公認」の扱いになっていますが、この大会では、プロがアマチュアと共にチームを組んでコースを回る。地元の子供たちからセレブまで多様なアマが参加するのですが、プロが気兼ねなくプレーに集中できるようマナーの周知も行き届いており、4日間の合計ストロークで優勝者と優勝チームを決める頃には、プロとアマがファミリーのような関係になるほどです。  一方、日本の男子プロゴルフに目を向けると、こういったファンの裾野を広げるための努力を怠ってきたばかりか、スポンサーのほうばかりに気を取られ、自らの利権を守ることにきゅうきゅうとしている。今回の騒動は起こるべくして起こったと言っていいでしょうね。 ――では、真の「改革」はどのように進めていけばいいのか。 上杉:海外のツアーは、観客からの入場料やスポンサー収入のほかに、当然ですが、テレビやネットの放映権料を得ています。ところが日本のツアーは、逆にテレビ局にお金を支払って放送してもらっている……。これが、私たち日本ゴルフ改革会議が指摘し続けている「逆放映権問題」です。  サッカーや野球など、人気スポーツはテレビ局側から放映権料を受け取るが、プロゴルフの場合、1試合につき2億円をテレビ局に支払うこともある。しかも、ゴルフは視聴率が取れないことを理由に「録画」が流されているため、ネットが浸透した今、事前に結果が漏れ、ファンがリアルタイムの興奮を味わえなくなってしまった。  青木功、ジャンボ尾崎、中島常幸……といったスター選手が多かった“黄金期”はそれでも成り立ったが、この何十年来続く大きな問題を放置してきたことで、ゴルフ人口減少に繋がる悪循環を断ち切れなくなっている。石川選手会長は、ピンフラッグを売り出すなどの小手先の「改革」でお茶を濁すくらいなら、まずは日々の練習に勤しんで、自ら成績を残してほしい。プロの技術で観る者を魅了する以外、ファンの裾野は広がらないですから。   *  *  *  片山氏一人に責任を押しつけていても、男子プロゴルフの人気再燃には繋がらないということだろう。<取材・文/日刊SPA!取材班>
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