仕事

情弱おっさん上司のせいで効率化どころか非効率に…現場から不満続出

パソコンがあれば何でもできると勘違いしている

中年「この人たちは本当に現代人かと疑ってしまいます」  関西地方の大手商社に勤める間々田さん(仮名・20代)も、上司との間にデジタル格差を感じている一人。 「資料作りだけでなく、アニメーションや動画作成、音楽制作やイラスト、CGまで、パソコンさえあれば何でもできる、と思っている人が意外と多いんです。それらはパソコンがあればできるかもしれませんが、すべてスキルが伴ってないといけない。たとえ、そこに飛行機があったとしても『お前が運転してハワイまで乗せてって』なんて誰も言わないでしょうに……」  外資系のクライアント向けに資料作成をしていたときのこと。パワーポイントを使った平凡な資料を作成し、上司に見せたところ「もっとこう……“カッコ良く”してよ」とぼんやりとしたやり直しを命じられた。“カッコ良く”と指示されても具体的にはどうすればいいのやら。 「ほら、なんかさあ、“ジョーブズ”みたいな。デジタル風のこう、あるだろ!」  ジョーブズ……。テレビで見た、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏を真似しろ、ということはなんとなくわかったが……。ジョブズはパワポを使っていなかったし、間々田さんにはジョブズの後ろに映し出されていたような動画を作る特別なスキルもない。そもそも、アップル製品のようなスマートなプロダクトを売るためのプレゼンでもない。現実は、自社の狭い会議室で、先方の担当者せいぜい4~5名に見せるための資料作りなのだ。 「結局、簡単なアニメーションと効果音をつけただけの資料を持っていくと『すごい』と褒められましたが、その後『これだけできるなら、彼には会社のPRビデオを作ってもらおう』などと上司たちが盛り上がっているのを聞いて寒気がしました」  間々田さんの上司たちは、いまだに社内のパソコンで風俗系サイトを閲覧し、総務部などの管理部署にバレて呼び出しを食らうような面々。まるでデジタルに初めて触れた「おサルさん」のようだという。業務中にこっそりエロ動画を見ていた上司などは、イヤホンが接触不良であることに気がつかず、フロア中に女優の喘ぎ声が響き渡ったこともあるというから驚きだ。  デジタルデバイスの進化により、我々の生活は激変した。そのほとんどはものごとの「効率化」など、我々の生活を豊かにしてくれているはずだが……そうした変化に追いつけない人々もいるということだ。  とはいえ、自ら前のめりになって「覚えてやろう」と鼻息荒い上司は、あなたの周りに果たしてどれくらいいるだろうか。<取材・文/森原ドンタコス>
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