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「24時間、ペットを救ってます」“夜の獣医師ゆってぃー”が診察治療を動画で発信しつづけるワケ

 小動物の緊急手術でも”神の手”で救う32歳の若き獣医師はその診察や手術の様子をSNSで発信し続け、業界ナンバーワン・インフルエンサーとなった。  医師らしからぬルックスに爽やかな語り口でフォロワーを魅了する、新時代の獣医師の素顔とは──?

獣医になったきっかけは?

エッジ110512 休日の東京・港区芝公園。夜のとばりが下り、煌々と輝く東京タワーが見下ろす街で、動物を抱きかかえた“飼い主”が、涙を流しながら駆け込んでいく場所がある。ここは年中無休、24時間対応の救急救命動物病院・芝アニマルクリニックだ。1匹でも多くの動物を救いたい──。  一方で、受付にはチャンネル登録者数10万人超のYouTuberに贈られる銀の盾。院長の稲野辺悠氏は「夜の獣医師ゆってぃー」の名で、診察や緊急手術の様子も“ありのまま”投稿する。  犬、猫、うさぎ、ハムスター、トカゲ、何でもござれの博識さで、独立1年で獣医業界ナンバー・ワンインフルエンサーにのし上がった。真摯な動物愛とインフルエンサーというアンビバレントな姿を持つ獣医の素顔に迫った。 ──そもそも、獣医を目指したきっかけは何だったんですか? 稲野辺:小学校低学年の頃、飼っていたシマリスの具合が悪くなり、動物病院で診てもらったのですが、死んでしまい、「この子たちを救えるようになりたい!」って思ったんです。そのためには獣医大学に入り、国家試験をパスする必要がある。  でも、高校2年のときに打ち込んでいたサッカーがケガでできなくなり、学校生活の意味を見失って、不登校になってしまったんです。だから、大学受験どころか、高校卒業さえ危なかった。

通常5~10年を要する「黒字化」を2か月でクリア