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ギャンブラーの胃袋と心を鷲摑み!煮込みの王様・平和島「はまかぜ(現おおこし)」

我が愛しのギャンブルメシ第1回

 ギャンブル場とグルメは切っても切れない間柄。熱い鉄火場を支えるギャンブルメシをリレー形式でお届けする「我が愛しのギャンブルメシ」。その記念すべき第一回はSPA!本誌でボートレースを担当する、「俺の夜」でもお馴染みのテポドンがお届けする。

“おつとめ”としての煮込み

煮込みライス

最強のツートップは煮込みとライス。これ以上の組み合わせはそうそうない。鳳啓助・京唄子を遙かに凌ぐ絶妙なコンビである

 煮込みと言えばギャンブル場の定番グルメの1つだ。熱い勝負を更に熱くしてくれるモツ料理は、ギャンブラーたちの胃袋と心を鷲摑みにする。そんなギャンブル場の煮込みで最も熱い支持を集めていると言っても過言ではないのが、ボートレース平和島場内の「はまかぜ(現おおこし)」の煮込みだ。このはまかぜの煮込みは全国にファンがいる。関西在住の予想紙記者は平和島の煮込みについて、こう語ってくれた。 「SGが平和島であると、率先して出張に手を上げた。その理由ははまかぜの煮込みを食うため(笑)。開催中に一度でいいからあの煮込みライスを食べないと、調子が出んのだよ(笑)。脂ギトギトで胃袋にパンチが入るって言うかね。たっぷりの一味唐辛子を振りかけて、丼飯にぶっかけてかっ込む。ギャンブルメシの最高峰やと思う」  かくいう私もボートレースにどっぷりとハマッた大学生時代から数え、実に20年に渡って平和島の煮込みを愛する1人である。毎週のように平和島に通っていた15年前のプータロー時代は、入場してまず煮込みライスを掻き込みながら予想紙を開くのが日課。SGやG1が開催されようものなら、毎日の“おつとめ”のように昼メシに食っていたくらいである。

煮込み、白飯が博奕打ちの五臓六腑を熱くする

煮込み

ネギ、そしてお好みで一味をかけて。ホルモンやフワなど、いろいろなモツが入っている

 そんなはまかぜの煮込みを初めて食べたのは、大学3年生の頃、今から20年前のことだ。確か、初めて開催されたSGチャレンジカップを観に行った11月末の寒い日だった。あまりの寒さに何か温かいものを……と思い、注文したのがはまかぜの煮込みだった。  熱々の煮込みに唐辛子を振りかけ、吹きさらしのスタンドに行った。湯気が風に舞い、その濃厚な香りが否が応でも食欲を誘い、席に着くなり掻き込むように煮込みを口にしたその刹那、噛みしめたモツから肉汁がジュワリ。甘い牛脂と醬油の味と相まって、得も言われぬ旨さが口の中で爆発したのである。こうなるともう、舟券の予想どころではない。一杯目を食い終わり、今度はメシも!とばかりにもう一度はまかぜに戻り、モツ煮ライスを注文したのであった。丼飯と共に味わうとさらに旨さが際立つ。煮込みの汁を吸った米の旨さと言ったらもう、「日本人に生まれてよかったよ、俺!」と唸るような味になるから驚きだ。  ギラリと輝く表面から脂っこさが伝わってくるのだが、これがまた不思議。濃厚な味わいながらもサラリとした後口が特徴。爽やかな甘みと味噌と醤油ベースのタレが絶妙なマッチングなのだ。はまかぜの煮込みが支持されるのは、この味わいがいかにも“男らしい”からではなかろうか。博奕打ちたちの熱いハートを奮い立たせる何かがあるのだろう。  そんなはまかぜを縁あって一昨年取材し、味の秘密を聞くことができた。創業60年の歴史を持つ、はまかぜの三代目店主は味の秘密をこう語る。
煮込み

この鍋を見ているだけでよだれがジュワリ……

「煮こむタレは、赤みそとしょうゆ、ニンニクとショウガです。芝浦直送で新鮮なもつだから下処理の必要がなく、旨味がタレに溶け込む。10年前に先代から継いだレシピは一つも変えていません」  ブレたら負け。バクチの鉄則はここでも生きているということか。  ちなみにこのはまかぜの煮込みは地元では評判で、ボートレースをしない方でも開催中は煮込みを食べるために来場する人もいるほどだとか。最近の公営競技はネット投票が主流になり、本場に来る人は減る一方なのに、こうしたファンがいるのはなんとも嬉しいことだ。  幸いなことに我が編集部から平和島まではJRで一本。原稿を書いているウチに、また食べたくなってしまった。そろそろ取材と称して会社をサボッて煮込みを食べに行こうかしらん。考えただけで腹が鳴ってしまった。 取材・文/テポドン(週刊SPA!本誌) 勝SPA!
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