森保ジャパンの主役は堂安律だ!…ヒデ、本田の系譜を継ぐ20歳
ジュニアユース時代から頭角を現し、’15年にG大阪史上最年少の16歳11か月18日でJ1デビューを飾った堂安だが、サッカーファンに広くその名が知られたのは昨年韓国で行われたU-20W杯だった。その大会で4試合3ゴールとチームをけん引し、イタリア戦では4人抜きのスーパーゴールを含む2得点の活躍。結果的にそれがオランダへの移籍を後押しする形となったが、すべてはイメージ通りだったと話す。
「あのタイミング(での海外移籍)を狙っていましたから。本当はその1年前にも(オランダの名門)PSVからオファーがあって、オレは行く気満々だったのにクラブ間で合意しなかったんです。だからU-20W杯後には絶対に海外に行きたいと周囲にも言ってました。そしたら、それが叶うわけですから、思っていることは口に出してみるものだと感じましたね(笑)」
国際大会への出場が移籍に拍車をかけたわけだが、もともと海外志向は強かったのだろうか。
「それは自然とですかね。基本的には負けず嫌いですから。サッカー選手として一番になるためにどこに行くべきか、それを考えたら少しでも早く海外に出ないとダメだなってなったんです」
そのU-20W杯では海外メディアから「日本のメッシ」と称賛された堂安だが、実はサッカーファンの間では「マラドーアン」という愛称をつけられるほど。「マラドーアン」とは文字通り、サッカー界のレジェンド「マラドーナ(メッシと同じアルゼンチンの英雄)」と「堂安」を掛け合わせた造語だが、左利きの堂安のパスやドリブル、シュートのリズムが、メッシよりもマラドーナに似ていることからつけられた呼び名である。
「よくマラドーナに似ているって言われるんです。メッシは鮮やかすぎですが、マラドーナって突進するイメージがあるじゃないですか。オレもそんなに滑らかじゃないし、どちらかと言えば体を使ってグイグイいく感じですから」
昨季はフローニンゲンで9ゴールを挙げ、ファンが選ぶクラブの年間MVPにも選ばれた。当初はガンバ大阪からの期限付き移籍で、不発に終われば日本に出戻りの可能性もあったが、結果を出したことで今夏に3年の正式契約を勝ち取った。ただ、いつまでもオランダにとどまるつもりはないと言う。
「チャンスがあれば英・プレミアリーグに行ってみたいですが、移籍はタイミングもあるし、その時にならないとどうなるかはわからないです。でも、東京五輪の頃にはUEFAチャンピオンズリーグ(以下CL)に出られるようなクラブに行けたらとは思います。CLはオレのホンマの夢。アンセム聴いたらどんだけ興奮するんやろ……」
小学生の頃から地上波でも放送があったCL決勝だけは現地時間に合わせ、朝3時45分にアラームをかけ、テレビにかじりつくように見ていたと振り返る。
「オトンもオカンも家族みんな、オレがサッカー大好きなことを知っていたので、キックオフに合わせて起こしてもらって。試合が終わるのは朝6時ごろ。そこから少し寝ちゃうので、その日は必ず学校に遅刻していました。でも、そこだけは両親も大目に見てくれていました(苦笑)」
時に大胆な発言をするものの、自身の性格を「ヘタレで不安性」だと分析する堂安。
「不安をかき消すために何かを言ったりしている部分もあるのかもしれないですね。たとえばオランダで結果を出したといっても、香川真司選手はドイツ1年目で(カップ戦を含め)10点取っていました。そうなると大丈夫かなと思うし、同い年のフランス代表のムバッペ(パリ・サンジェルマン)なんて、背番号10つけて、フランス代表としてロシアW杯で優勝していますから。上にはすごい選手がたくさんいます。でも、オレはそうして他人と比べることで頑張れるんです」
「CL出場はホンマの夢」ビッグクラブへの思い
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