R-30

短時間睡眠を続けると記憶力が低下する!?

◆短眠法に医学的根拠はなし、睡眠不足の弊害は多い

梶村尚史氏

梶村尚史氏

 書店を歩けば「4時間半睡眠で成功者に!」「短眠法で人生が変わる!」など、睡眠を削って仕事に励めと謳う書籍がそこかしこに平積みされている今日。でも正直、こんな意識の高いメソッドになんかついていけない……。そこで、睡眠医学の観点からも調べてみるべく、梶村尚史氏にお話を伺った。

「人それぞれに必要な睡眠時間は、遺伝子レベルで決まっています。そのため、誰にとっても8時間睡眠がベストとは言えませんが、本来8時間の睡眠が必要な人が5時間に縮めるのはそもそも不可能です。『4時間半短眠法』などは短期間なら気合で乗り切れるかもしれませんが、長期的には慢性的な睡眠不足が続く。集中力が出ない、記憶力や理解力が低下、といった弊害が出る懸念があります」

 よかった。医学的に見ても、長時間睡眠が必要な人は一定数存在するようだ。徹夜での残業のメリットについても梶村氏は一蹴する。

「夜中のほうが集中できるという人がいますが、単にノってきてやめたくないだけのことでしょう。時差ボケが数日直らないのと同様、徹夜をすると睡眠のリズムが崩れます。寝つきも睡眠の質も悪くなるため、かえって長く寝てしまい、時間を損することになるのです」

 そう言われてみれば、深夜残業をした翌日は結局起きられず午前半休をとったり、朝から出社してもボンヤリして仕事が手につかなかったり……。頑張ったつもりが皮肉な結果に終わることは多い。

30代の平均睡眠時間の推移

30代の平均睡眠時間の推移


【梶村尚史氏】
むさしクリニック院長。専門は精神医学、睡眠医学、時間生物学。睡眠医療認定医。著書に『「寝るのが怖い」がなくなる本』(ワニブックス)他多数
出典:図:NHK国民生活時間調査『日本人の生活時間2010』
※注:生活時間調査は’95年に調査方式を変更した。’70~’95年(黒丸)は旧方式、’95~’10年(白丸)は現行の方式による。数値そのものを直接比較することはできない。

取材・文/朝井麻由美
― [毎日8時間寝る]逆転の仕事術【2】 ―

「寝るのが怖い」がなくなる本

14のカンタン入眠テクニック




おすすめ記事