大きな公園の近くの店舗で昼間働いていたことがある。公園でイベントが開催される日曜日などは混雑し、人手も足りないので大変だ。フライヤーが間に合わない。 　そんな時に店長の奥さんがフライヤーを2品入れ忘れてしまったのだ。それは客からの電話でわかった。もちろん謝り、店まで取りにきてくれれば商品を渡し、コーヒー1本でもサービスでつけるつもりだったが、相手は「公園まで持ってこい」と言う。 　ただでさえ店内は客が多く手が離せない状況のなか、奥さんは店側の責任として公園まで行った。しかし公園にも人が大勢いるので、その客が誰だかわからない。探すのもひと苦労だ。結局、かなりの時間がかかった。 　信じられない。客は複数のグループで公園にいたわけで、店までは近いし、なぜ自分から取りに来ないのだろうか？ 限られた数しかいない店員が、レジで必死になっている姿を見ていなかったのか？ 　一応、コンビニにはマニュアルがあり、このような場合は責任者が届けなくてはいけない。とはいえ、間違えたことに対するペナルティを与えているつもりだとしたら……。“お客様は神様”という態度の客は、人としてどうかと思っている。 　こんなことが続けば、これからコンビニのオーナーになる人は確実に減るし、だれも雇われオーナーをやらなくなる。コンビニ不景気、人手不足、業務の複雑化と相まって、アルバイトすらいなくなる日は、そう遠くないのかもしれない。実際に、「客が酷くてストレスが溜まる」という理由で辞める人は多いのだ。