更新日:2022年11月10日 10:23
仕事

コンビニ店員に過剰なサービスを要求する客。弁当の温めで理不尽にキレる…

弁当の“温め”で理不尽にキレる

 筆者が夜勤に入っている時だった。夜10時過ぎ、若い客が弁当をレジに持ってきた。  だが、財布にお金がなかったことに気がついたのか「あ、ちょっとカネをおろしてきます」とATMに行った。弁当はレジに置いたままだ。こっちはお金をもらっていないので当然だ。しかし、客が戻ってきたところでスキャンをして「温めますか?」と聞くやいなや……。 「お前、なんで温めてないんだよ! 普通は温めてるだろ!」  唖然とした。普通はそんなことするわけがない。筆者が丁寧に「いえ、まだ現金をもらってないですし、温めるとも言われてないので、しないですよ」と返しても相手はキレ続けている。  こんな最低な若い男に怒られるのには納得いかなかった。もしも筆者が店長で、ある程度の権限を持っているならば現金を返したうえで「二度と来ないでくれ。これ以上騒いだら警察を呼ぶ」と言うこともできるのだろう。だが、雇われのアルバイトに過ぎないので、ただ謝るしかない。  これは今思い返してもすごく悔しい出来事で、書きながらも暗い気持ちになってしまう。
コンビニ

弁当の“温め”をめぐってトラブルが起きることも…

 弁当といえば、こんなこともあった。20代の大人しそうな男性が弁当を買ったので温めた。ちょうどレジは混雑しており、少し待ってもらうことになった。  温まったので袋に入れて「お弁当、温めのお客様」と呼ぶが、反応がない。それどころか、店にいないのである。  弁当を温めていることを忘れて、家に帰ってしまうのだ。これはたまにあることで、筆者の経験上、そのような客の反応は以下のとおり。 1.恥ずかしいのか、面倒なのか、はたまた車で来ていて遠くに移動しているからか、とにかく二度と来ない(30%) 2.照れ隠ししながら「すみません」と逆に謝りながら取りに来る(50%) 3.明るく「忘れちゃった」と言いながら取りに来る(20%)  たまに来る客なので、今回は2のパターンだろうと呑気に構えていた。しかし、その予想は覆され、なんと「この野郎!」と叫びながら、いきなりドアを足蹴りして来たのだ!  まったく意味がわからないが、「客が帰ろうとしているのだから、それを止めるのが店員の義務だろう」と。まず、混雑時は業務が忙しく、すべての客を見ていられるわけではない。そもそも店内で待つのが普通である。本人の不注意でしかなく、怒られる筋合いはない。  ところが、弁当を渡そうとすると、「時間が経ったのだから温めなおせ!」である。  そのことを店の仲間に話したが、「普段は大人しそうな人なのに……突然変異するのが怖い」とだれもが口を揃えて言った。さらに我々を驚かせたのは、店であれほど傍若無人に振る舞ったのに、数日後にはしれっと買い物にきていること。筆者が応対しても、特に変わった様子もない。全く忘れているようだ。  常識的な感覚があるならば、ささいなことで店員に対して激しく怒ってしまった場合、冷静になったのち、自分の行為を恥じるはずだ。後日、店員に謝罪したり、気まずいと思ってしまうはず。その店に行きにくくなるかもしれない。  しかし店で問題を起こすような人ほど、何事もなかったかのようにやって来るから不思議である。<取材・文/浜カツトシ>
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