年収700万円台から自己破産に陥った男「2年後の年金まで耐えるしかない」
いま、定年後に、引き上げられた年金受給まで耐えられずに破産する「定年破産」が増えている。背景にあるのは役職定年や定年再雇用による賃金の低下、さらに晩婚化で住宅ローンや高い教育費が60歳をすぎても重くのしかかる。70歳まで普通に働いても、人生100年時代を乗り切ることはできないのか。世間の“普通”が揺らぐ!
…桑原 徹さん(仮名・63歳・金属メーカー)
「10年前、経営悪化により会社の退職金規定が改悪され、もらえる退職金が1800万円から1000万円と45%も減額。これで人生設計が狂ってしまいました……」
そう嘆くのは、2年前に自己破産を経験した桑原徹さん。20年前、5000万円で購入した都内のマイホームを失った。
「45歳でボーナスカット、55歳で役職定年により全盛期の約半分の年収350万円に。生活水準を下げて耐えていましたが、役職定年で手取り20万円以下に落ち込んでしまって……。年齢的にも転職は難しく、病気で倒れた妻の治療費が家計をさらに圧迫。退職金を住宅ローンの返済に充てても残債は1200万円あったので……」
息子は起業に失敗して多額の借金を抱え、同居を求めるも嫁が頑なに拒否。嫁いだ娘も夫の実家暮らしで、頼れなかったという。
「自己破産してすべてを失いました。ただあと2年たって65歳になれば年金がもらえる。年250万円程度で困窮した生活に変わりはないですが、もらえないよりは、マシ。現在は公園の清掃などをして月10万円で生活。妻の医療費もかかるため極貧ですが、今は耐えるしかありません」
<取材・文/週刊SPA!編集部>
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