ファンに手を出しかけた芸人に待っていた地獄。「私の体はどうするの?」
お笑い芸人やミュージシャンが「ファンを食う」といった行為はよくあるそう。だがファンの中には当然、厄介で面倒なタイプも存在する。
Aさんは、ライブを中心に活動するコンビのボケ担当で、腰まで伸ばした長髪がトレードマークになっている。ライブに出演するごとに集客を増やし、出待ち入り待ちのファンも増えてきていた。さらに集客を伸ばそうとSNSにも力を入れ、応援してくれるファンも、どんどんフォローしていった。
そんなある日、AさんのFacebookのメッセンジャーに、ファンの女性Mさんからメッセージが届いた。そこには「ファンがこんなことしちゃいけないとわかっているんですが、相談に乗ってもらえませんか」とあった。
はじめは無視するわけにもいかなかったので相談に乗っていた。しかし徐々に、Mさんからの相談は「Aさんのことが好きだ」という向きに変化していく。女性に好かれて嬉しくない男はいるはずもなく、Aさんにも下心が芽生え始めたという。
実際に会うことこそなかったものの、メッセージはエスカレートしてピロートークのような(だけでなくかなり性的な)やりとりになり、近いうちに会って、「そういうこと」に及ぶ約束まで取り付けていた。
数日後、Aさんが仕事を終えてスマホを見てみると、Mさんから大量のメッセンジャーでの不在着信。悪い予感に襲われたAさんはすぐに折り返し電話をする。すると電話口から「ギャー!」という音が割れるほどの叫び声。そして次の瞬間「奥さんいるでしょ」というMさんの低い声。
そう、Aさんは妻帯者だったのだ。女性ファンもいたことから、それを明かさずに活動していた。
知らぬふりでかわそうとしたAさんだったが、Mさんは証拠を持っていた。「Facebookで見つけたんだから。あんたが前にアップしてた写真の後ろに写ってる壁紙と同じのが、その人のアップしてる写真にも写ってた。他にもあんたが家で撮った写真の背景に写ってるのと同じものが、その人の写真にでてきた」
Aさんと奥さんはFacebookでは繋がっていないが、Mさんは探し回っていたのだ。仕方なく、事実を認めたAさんだったが、恐怖はそこからだった。「今から、メッセンジャーで奥さんに電話する」と言い出した。勘弁してくれというAさんの懇願虚しく、許してくれる気配がない。
「私だけ傷ついて、あんたは奥さんにも黙って傷つかないなんて許せない」という。まあごもっともだ。Aさんは観念して「自分から妻に言う」と約束し、その場を収めた。奥さんは夫の告白に、怒りと呆れの同居した反応を示したが、三日三晩にわたる謝罪と二度とMさんと連絡を取らないという事を約束をして、なんとか許しを得られたのだという。
そしてAさんは、最後にMさんに連絡し妻にすべて話した事を伝えた。
これにて一件落着。と思ったがそれは大間違いで、翌日にMさんからメッセージが来た。「私の気持ちと体はどうするの?」。第二幕の開演である。
以下は、ファンの女性と一線を超えてしまいかけたお笑い芸人のAさん(男性)の体験談。ちょっとした出来心がきっかけで、仕事に影響を及ぼしかねない事態にまで発展してしまったのだ(個人の特定を防ぐために一部脚色)。
SNSで積極的にファンと繋がった結果
妻がいるとバレたきっかけは写真だった
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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