「ご飯と目玉焼き、即席の味噌汁」が1ヶ月以上続く…「毎日手料理を準備しているから感謝して」と主張する夫に突き付けた三行半
こんにちは。結婚相談所「マリーミー」で代表を務める植草美幸です。『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)での特集をはじめ、各種メディアで見たことがある――なんて方もいらっしゃるでしょうか。
マリーミーは設立15年となり、現在では年間約6500件もの結婚や恋愛にまつわる相談を受けています。これだけの相談を聞いていると、多くの問題はいくつかの類型に分けられ、それぞれに存在する鉄板の解決策が見えてくるものです。人間関係は十人十色のようで、対応には同工異曲の趣があります。
リニューアルした本連載では、「結婚後のリアル」な悩みにお答えしていきます。ただ、結婚や同棲中の方だけでなく、お相手選びに迷いのある婚活中の方にも参考となるよう、手加減なしの“辛口”モードです。心してお付き合いくださいね。
女性の社会進出にともない、男性の「家庭進出」への意欲や実態も問われるようになりました。今や低年収がネックになるのは男性に限りませんし、家事能力がないことでお断りをされるのも女性に限りません。
『ザ・ノンフィクション』で密着された男性が、番組中で相手女性から家事能力のなさを指摘されていたことを、ご記憶されている方もいらっしゃることでしょう。
もはや「育メン」すら古めかしい言葉となり、共働き世帯では男性も“主体的に”家事や子育てを担うことが期待されるのが当然の世の中となっているのです。
このような社会の変化を受け、「家事はすごくやっていますよ!」と語る男性も随分と増えました。そのなかには、対等に家庭を運営するパートナーとしての行動ができている男性ももちろんいます。
しかし、自称“家事をやっている俺”にすぎない男性も少なくありません。自己認識と実態が大きくズレてしまっているのです。そうしたズレは不仲の原因にもなれば、ともすれば離婚を求められる事態にも発展しえます。
今回は「共働き家庭における夫の家事」をテーマに、“やっているつもり”でとどまってしまっている男性の実例や、結婚前に家事分担ができる人かどうかを見抜くポイントなどについてお送りします。
最初にご紹介するのは、自称“家事やってる俺”との婚約破棄をきっかけに、入会された女性から聞いたエピソードです。
その女性は夜勤や宿直が多い仕事をされていました。そこで同棲開始後には、お相手が食事の用意をメインで担当してくれることになったそうです。
ところが、来る日も来る日も、炊いたご飯と目玉焼き、即席の味噌汁のセットのみという日々が1ヶ月以上続いたのだとか。もっとも、用意してくれた食事にケチをつけることは御法度です。とはいえ、食事とは健康維持に密接した大切な営みでもあります。
手作りかどうかや、手間暇がかかっているかでジャッジしてはなりません。ただし、あまりに栄養バランスが偏った献立が“連続”しているのでは、「食事担当を担えている」とは言えないでしょう。
そうしたものしか提供できないほど多忙だったり、疲労困憊しているのであれば、対話をもとに別の解決策を見出さねばならない状況です。分担変更の打診や、ミールキットや冷凍弁当の導入を提案するなど、状況次第でさまざま考えられます。
ですが、この女性のお相手は、「忙しい君のために毎日手料理を準備してるんだ! 感謝してよね」との認識だったそう。
結局彼のズレた自己評価を修正することができず、私のもとに来られたのでした。
“家事をやっている自分”に酔う夫…
「ご飯と目玉焼き、即席の味噌汁」が1ヶ月以上続いた
結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを創業。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。日々カウンセリングを行いながら、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など幅広く活動中。著書に『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『モテ理論』(PHP文庫)など
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